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憂鬱な会社の飲み会でも、次の日のお礼は必須か否か

若い世代の人ほど、会社の飲み会が憂鬱だ、と思う人が多い傾向があります。

何が楽しくて、貴重なプライベートな時間を割き、会社の上司・先輩・同僚との飲み会に参加しなければならないのか、その意味・異議が分からない!――そういう理由が主にあることでしょう。

しかし、自分のこの先の会社員人生を思うならば、こうした席をうまくこなすことも、また重要です。

その代表的なものが、次の日のお礼です。

何故、お礼が必要なのか。そしてお礼がどうして処世術に繋がるのか、その理由を見てみましょう。

イヤイヤ参加した会社の飲み会でも、次の日にお礼は言うべき!?

本来なら避けて通りたい会社の飲み会。

貴重なプライベートを押してまで、無理に参加したのに(そして参加費もしっかり徴収されたのに!)「次の日にお礼をした方がいい」と言われても、会社の飲み会自体を嫌う大半の人は、「意味が分からない!」と思うことでしょう。

そう思うのも、仕方がないことです。

このロジックを理解するには、まず、世代による考え方の違い・育った時の価値観の違いがある、ということを知らなければならないからです。

現在、会社で新人とされる人達の上司に当たる年齢の人――40代以上の人達は、『個人よりも周囲との和を大切にすべし』と教えられて育ち、かつ『年長者(上司)の言うことは絶対』という価値観の中で働いてきた世代です。

対して、現在の30代よりも下の世代の人達は、『周囲よりも個人』、『年功序列ではなく実力主義であるべき』という風潮の中、生きています。

若い人にとっては、後者の考え方が正しく感じ、前者の考えは古臭く感じるでしょう。

時に、間違っているとさえ感じるかもしれません。

しかし、それを全面に押し出しても、得なことがあるどころか、不利な状況になりかねません。

会社の飲み会の次の日のお礼は、協調性があるかどうかの踏み絵

こうした考え方の違いが如実に現れるのが、やはり、会社の飲み会という席です。

仕事の拘束時間が終わったのに、更に上司や先輩、同僚との堅苦しく、お小言を並べられ、美味しくないお酒を飲まなければならないことは苦痛でしょう。

ただ、この会社の飲み会は、言うなれば一種の踏み絵と同じものです。

この席で楽しそうに振る舞い、周囲と会話をし、時にお小言を貰ったらそれには素直に謝る。

そして、次の日(休日を跨いだなら、次に顔を合わせた時)に、飲み会に誘ってもらったことなどにお礼を言う。

…と、こうしたコミュニケーションを図れる人間であるかどうかを見られている場、そう言い換えても過言ではありません。

加えて、お酒の席というものは、あなたが考える以上に重要な席です。

お酒を一緒に酌み交わすことで、お互いの本音を理解し、より密接なコミュニケーションを取る場だと、多くの人が考えています。

だからこそ、重要な取引先との接待といえば、お酒に絡んだ会食であったり、何かと記念すべき時――歓送迎会やキックオフ、忘・新年会に、お酒はつきものなんですね。

憂鬱な会社の飲み会でも、奢りならなおさら次の日のお礼は必須

そうした場に喜んで参加する部下と、そうでない部下、上司はどちらを可愛がりたいと思うかというと、これははっきり前者になります。

何故なら、人間は、自分と価値観を共有する人に対して、心理的に好感を持つようになっている生き物だからです。

会社の飲み会に参加すれば、仕事後の大事な2,3時間を無駄にする、そう感じるかもしれませんが、実はこの少々の時間は、決して無駄にはなりません。

むしろ、声をかけられた飲み会に参加するだけで『同じ時間を共有した仲間』というグループに含められ、後々の仕事の際に大いに力となってくれます。

嫌な飲み会であっても、これは一つの処世術、そう思って乗り越えるほうが、将来の自分のためになるでしょう。

加えて、上役の人の奢りや代金を多く払っていてくれたという状況なら、まず、店を出た所で「ごちそうさまでした。ありがとうございました」とお礼をするようにしましょう。

その次の日になって再度「昨夜はごちそうさまでした。ありがとうございました」とお礼をすると、より好印象を与えることができます。

これは処世術というよりも、一般常識・マナーの範疇ですから、社会人としては忘れてはいけません。

どうしても会社の飲み会に参加したくない時はどう断る?

どうしても気が進まない、参加したくない、そんな時には、言葉を選んで辞退するようにしましょう。

「会社の飲み会って不要ですよね」という直球を投げたくなることもあるでしょうが、何の得にもなりません。

会社の飲み会に参加したくない人の中には、自身がお酒が飲めないから、強くないから、という理由の人もいるでしょう。

そんな時は、まず最初のうちに「自分はお酒が飲めない体質なのですが、それで参加しても皆の気分を害さないでしょうか?」という『参加はしたいけれど、お酒が飲めなくて不快にさせないか気にしている』というような聞き方をしてみましょう。

単に弱いだけでなく、嘔吐する、倒れるといった具体的な迷惑をかけることになる、という理由を伝えれば、相手も無理にお酒を勧めてくることもないでしょう。

また、どうしても参加したくない時は、「誘って頂いてありがたいのですが、今日はどうしても外せない家庭の事情があって」など、『参加する意欲はあるが、今日は無理だ』という姿勢を見せ、誘ってもらったことに対してお礼を言いつつ、断るといいでしょう。

その上で、3回に1、2回は飲み会に参加し、周囲とのコミュニケーションを図りましょう。

会社の飲み会は処世術の一つと割り切るほうがずっと得!

もし、あなたが仕事に関して全く完璧で、ミス一つないような社員で、かつ飲み会を全く不要だと思うのであれば、会社の飲み会を断り続けるのもいいでしょう。

しかし、一つの会社の社員として働き、周囲と持ちつ持たれつの関係で、加えて上司に気に入られて出世の道を少しでも盤石に、と考えるのならば、出来る限り会社の飲み会――少なくとも、全社・所属部署で行われる飲み会には、参加しておくべきです。

事実、どんなに仕事が出来る人でも、信用が置けないと思う人に、上司や周囲は大切な仕事を任せようとは思いません。

むしろ、全員で協力して成し遂げられる、そんなコミュニケーション能力を買う場合もあるでしょう。

ですから、「会社の飲み会は参加するだけ損」という考え方のほうこそ損だ、と言っても過言ではないのです。

もしかしたら、10年、20年後の日本では、会社の飲み会というものは不要、という認識で統一されているかもしれません。

ただ、少なくとも今現在は「会社の飲み会は参加したほうが得」であり「しっかりお礼を言える部下こそ可愛がられる」社会です。

その中を生きていくわけですから、わざわざ波風を立てて雰囲気を悪くするより、割り切って参加するか、それとも穏便に断るよう言葉を用意しておくかしたほうが、あなたのためになるでしょう。

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