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つらい流産が原因で会社を休むときの流れとは

流産は本当に辛い経験。絶対に回避したいものですね。

しかし、特に「初期流産」などは母体にその原因が無いため、どうしようもないものです。実際にその悲劇に見舞われた場合のショックと言えば相当のものでしょう。

できるだけ早く立ち直り前に進もうとするとき、周りの理解は必須です。心も体も、ある程度回復するまではあらゆる責任から開放され、良く休む事が大切ですね。

では、流産を経験してしまった場合、会社を休むのは一般的には許される事でしょうか。そして、どのくらいの休養が必要とされるのでしょうか。


流産で会社を休むのはアリなのか?

流産と一言に言っても、さまざまな種類があります。妊娠期間において流産が起こった時期や、原因によって呼び方も変わります。そして、その種類によって処置も変わり、体の回復時期も変わります。

『産休ではないが、流産しそうだから休む』と言う方もいらっしゃいます。でもこの場合は胎児のことを思っての行動。流産してから休むのは、自分が頑張れば済む話なのだから、とか、会社側の理解を得られるのか・・という不安から、長く休む事を躊躇されることもあるでしょう。

しかし、体が回復したから(医者には働いても良いと言われた)と言って、すぐに復帰しなければならないという決まりがあるわけではありません。こころも回復していかなければ、あなたが次のステップに踏み出す事がどんどん遅れてしまう恐れがあります。

『仕事をしていたほうが気が紛れる』と言う場合は、体の回復具合と相談して復帰するのも良いでしょう。

会社に休む事を伝えるとき、流産を打ち明けにくい・・

会社側に妊娠の報告は済んでいましたか。済んでいた場合は、流産の報告もすぐに理解が得られるかもしれません。

流産の状態については、信頼できる上司にできるだけ(精神状態が許す限り)詳しく伝えるほうが、今後の理解も得られます。ショックでどうしても言葉にするのが辛いときは、落ち着いてから詳しく報告する事だけ約束し、体の回復に努めるため最低限の休みをもらえるよう伝えてみてください。必要であれば診断書を医師に請求します。

筆者も流産経験がありますが、初期(妊娠4ヶ月未満)の稽留流産でした。妊娠の事は伝えてあったため、妊婦検診で胎児の心拍が確認できなかった翌日に、その旨と手術日を申告しました。

このように、突然の自然流産でなかった場合であれば、報告も、休みの申告も、前もって伝える事ができるので会社側も予定を組みやすいでしょう。突然の出血などであるなら、事故と同じで想定し得ない状態ですから、まずはご自身の体を一番に、そしてこころの負担という面でも無理のないよう報告してください。

流産したら・・どのくらい会社を休むか

身体的な点から言うと、元々母体が健康な場合(初期流産であった場合)、1週間〜10日ほどは安静にする事が勧められています。動けないわけではありませんが、感染症や子宮内の炎症を引き起こすことを防がなければならないからです。もし、残留物の癒着などを引き起こしてしまえば、次回の妊娠での流産のリスクも上がってきてしまいます。

さらに、向こう1ヶ月激しい運動も控えるよう勧められています。もし仕事に激しく体を動かさなければならない内容が含まれるなら、できるだけ避けたいところです。

またしばらくは体を冷やすことも避けなければならないので、もし職場が寒いなら、一週間は絶対に体を冷やす環境に身をおかないことも重要です。

この辺りを会社に説明し、どのくらいお休みを頂けるか相談してみてください。会社によってどのくらい提案してもらえるかは変わってきますが、上記の期間を目安にして休養期間について検討しましょう。

流産の経過について―どの過程で報告?

経験者であれば、担当医師に説明を受けたり、ご自身でネットで調べたりすることで、自分がどの種類の流産だったのかを把握されていることでしょう。

ではどんな過程で起こってしまうのか、少し取り上げてみましょう。

まず、妊娠22週までに胎児が母体外に出てしまう事を『流産』と言います。

妊娠12週未満に起こってしまう初期流産のほとんどは、受精卵の染色体異常によるもので、元々が弱い細胞であったために起こります。『心拍が確認できればまず一安心』とも言われますが、これまでに心拍が聞こえていても流産は起こりえます。筆者はこの状態だったので、心臓の音を聞いているだけに、流産の宣告はとてもショックでした。

次に妊娠12週を過ぎてくると、子宮に何らかの原因があることも理由として増えてきます。が、初期流産に関しては自分がどんなに気をつけていても起こってしまう自然のことなので、自分を責める事はしないでください。

流産の進行については、

〈稽留流産〉:母体内で胎児が死亡しているが母親に自覚症状は無く、検診の際の超音波検査で発覚する事が多い。

〈進行流産〉:子宮口が開いてしまい、胎児や胎盤の元となるものなどが流れ出ている状態で、もはや止めることはできません。

〈不全流産〉:進行流産が更に進み、内容がほぼ出てしまった状態。

〈完全流産〉:完全に出てしまった状態、下腹部の痛み、出血があります。

22週を過ぎると、流産ではなく死産となり、役所への死亡届の提出や手当てを受け取る事ができます。

流産が確定、その後の処置が決定した時点で、出来るだけすぐ職場へ連絡しお休みを確保するのが懸命です。

流産による休み明けの対応は?

こころと体も傷が癒え、職場に復帰したときはどのように対応すればよいでしょうか。

職場の仲間は心配と労わりの気持ちがあっても、「あまり突っ込んで聞いては悪いかな」という気持ちがあったりして、ぎこちない事もあるかもしれません。

『これまでお休みを頂いてご迷惑をおかけしました』という気持ちのを示すために、ご挨拶の手土産を持参するのは良いかもしれません。そして、自身のショックもある程度落ち着いているのであれば、ある程度の状況報告は必要かもしれませんが、あまり詳細に語らずとも良いでしょう。男性が相手であれば特に、お休みを頂いていた分のご挨拶と、「もう大丈夫です」ということだけお伝えできれば、大丈夫だと思いますよ。

職場でも無理に明るい態度で振舞う必要は無いので、少しずつ完全復活に向かって歩んでいきましょう。

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