面接の穏便な断り方 〜 企業側のリスクマネジメントを考えよう
面接の断り方も色々あります。しかし、下手な断り方をすると、「差別だ!」と企業側が訴えられることもあります。だからこそ、断る時は出来るだけ、相手の気持ちを考えて穏便な断り方をした方がいいでしょう。
断られるという事は誰だって少なからず傷つきますよね。変な恨み方されないためにも、企業のリスクマネジメントという観点から、波風の立たない断り方についてご説明いたします。
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リスク放置は危険!企業側ですべき面接の断り方
アルバイトの面接に多いのですが、応募してきた人に対して、きちんと不採用の連絡を入れないなんて事があります。多くは企業側の担当者が忙しくて、「まあ、連絡がなければ落ちたと思うだろう」ぐらいの気持ちで対応するのでしょう。
しかし、これは大きな間違いです。期待しているにしろ、期待していないにしろ、待たされている期間というのは、とってもプレッシャーがあるのです。早めに「不採用」だったり、「書類選考に落ちた」等の連絡を貰っていれば、白黒はっきりつくので、まだ感情は治まりようがあります。
しかし、待たされたあげくに、「不採用」だったとすると、その待たされた期間のプレッシャーや期待が怒りとなって噴出する事もあります。すぐに訴えるという事ではないにしろ、TwitterやSNSなどで、その企業に対する不満でもつぶやかれれば、あっという間に炎上もあり得る訳です。
こういう時代だからこそ、出来るだけ応募してきた人には誠意を尽くさねばなりません。
企業側のリスクマネジメントとしての面接の断り方
男女雇用均等法などがあり、募集要項に性別を記載するのがアウトになりました。また募集要項に一応の要件、例えば経験者だったり、年齢だったり、持っている資格だったり記載していても、それを無視して応募してくる人というのはやはりいるのです。
例え相手が応募してきても、正直この人は条件に合わないという事はあります。だから面接だってはっきり言えば時間の無駄ですから、面接をお断りしたいという状況はあると思います。
でも人数が許すのであれば、面接した方が無難です。その上で断るのであれば、「今回はご縁がなかった」「今回は採用を見送らせていただきました」等で断れるでしょう。
しかし、いきなり面接を断られると色々と相手の憶測を呼ぶ可能性があります。もしそういうのを避けたければ、必ず募集要項に「書類選考あり」と記載しておきましょう。そこで条件に合わない人を振るい落とす事ができます。
企業側にできる穏便な面接の断り方
まず選考基準や、不採用の理由を企業が説明する義務がありません。だから、例え書類選考で「男性が欲しいのに女性が応募してきた」「年齢が合わない」「職歴に問題があった」等々不採用な理由は別に伝える必要はありません。「書類選考した結果、今回の採用を見合わせる事になりました」との説明で十分です。
ただし、その前にはまずこちらの募集に応募してくれたことに対する感謝の言葉と、今後の相手の幸運を祈るような言葉を加えましょう。定型文ですが、定型文でOKなのです。
伝える方法としては、手紙などがいいでしょう。その際に預かっている履歴書など返送します。相手の個人情報は出来るだけ企業側が保持しない事が重要です。またメールや電話などすぐに相手が返信しにくいものだからです。
相手から質問が来なければ、余計な事をいう事もありません。もちろん電話やメールでもいいのですが、相手から不採用や面接をしてもらえない理由を聞かれた際に、「総合的な判断の結果です」と曖昧に答える事が重要です。
条件に合わない人が応募してこないような募集要項を
仕事の内容から、男性向き、女性向き、若い人向きというのは企業側でも想定があると思います。でも応募要項に性別やそれらを明確に記載する事が出来ません。
ならば他の説明で、相手が推測するように仕向けるのです。
例えば会社の説明で「女性が多い職場です」と記載があれば、まあ「女性の多い職場ラッキー」と思って応募してくる男性は皆無ではないでしょうが、女性の応募が多くなりそうな文言です。
また、「平均年齢30代の若いパワー溢れる会社です。」などと記載されていると若い人は応募したくなりますが、50歳過ぎた人が応募したいとは思いませんよね。
こういう風に直接条件として記載しなくても、会社の紹介文として、自分が求める性別、年齢層などの人が、「応募したいなあ」と思わせて、逆に条件に合わない人だと「応募しても無理そう。」と思わせる事が大切なのです。
断る時は、出来るだけ誠意を込めて
応募が多い所など、面接や不採用の連絡をするにもどうしても機械的になってしまいますよね。企業側にすれば、二度と縁のない人達です。ならば、時間を割いてまで誠意に対応する意味はないと思ってしまうかもしれません。
でもそういう事ではいけません。相手が不快に思う情報を伝える時こそ、真摯に誠意をもって伝えるべきなのです。
前述したように、どんな人だって断られるという事は自分を否定されたという事なので、傷つくものです。傷ついた人は、容易にその気持ちを怒りに変えます。
今は訴えるだけが手段ではありません。容易に自分で情報を発信出来、それが炎上するには、その情報の正確性はさほど問題ではありません。リスクマネジメントの観点から放置するのは危険です。
何らかの理由にしろ、数ある企業の中からこの企業に応募したいと思ってのは事実なのですから、まずは応募してくれたことに感謝の意を示して、残念だったが今回は採用する事が出来なかったという事を相手に誠意をもって伝えましょう。