上司が部下を「お前」と呼ぶ心理 常時呼ぶ場合と特別な時の違い
上司が部下と「お前」と呼ぶ場合はどういう時でしょうか?
また、常にどの部下も等しく「お前」と呼ぶ人もいれば、特定の部下だけ「お前」と呼ぶ人もいます。
逆に普段「お前」という二人称を使わない上司が、突然「お前」を使いだしたとしたら?
その時の上司の心理はどういう状態でしょうか?
「お前」という二人称で部下を呼ぶ上司の心理についてご説明いたします。
このページの目次
上司から「お前」と呼ばれた時の心理
あなたは上司から「お前」と呼ばれたらどう感じますか?
何となく不愉快に感じる人と、全く気にしない人がいます。それはある意味上司との関係性に由来しているとも言えます。
不愉快に感じるとしたら、それは上司との心理的距離がある所為かもしれません。また、これはあなたの環境にもよりますが、あまり「お前」という二人称を使う人が回りにいなかった場合も該当します。
逆に「お前」と呼ばれても、あまり気にしない人もいます。これは、上司との心理的距離が近いか、もしくは、「お前」という言葉を使う人が周りにいたため、あまり気にならないかです。
「お前」という言葉には少々ネガティブなイメージがあります。つまり、呼ばれた相手を「見下している」というイメージです。何故なら「お前」という言葉は、現代の日本において、立場が上の人に下の人が使う言葉ではないからです。
そのため不愉快に感じる人は「お前」という言葉にネガティブなイメージを感じとっているのです。
部下を「お前」と呼ぶ上司の心理
上司が部下を「お前」と呼ぶ心理には大きく二つあります。
一つ目は自分の権威を見せびらかしたいからです。自分の立場が上であるという事を常にアピールしたいのです。そのため、常に自分の部下に対して「お前」という二人称を使います。これは、先ほどご説明した「お前」に纏わるネガティブなイメージをそのまま使っています。
こういう使い方をする上司は、心のどこかで自分が立場が下となる事を恐れています。そのため、仕事があまり出来ない傾向が見受けられます。
二つ目は親しみを込めて「お前」という二人称を使う場合です。
例えば友達同士であれば「お前」という二人称は使います。これは友人を決して立場が下と見ている訳ではありません。また恋人同士でも、男性がこの二人称を使う例は見受けられます。確かに、ネガティブなイメージのある言葉ですが、身内の気安さで使うという事があります。
上司と部下の心理的距離が近い場合、上司が「お前」という二人称を使う事はあります。
上司が特定の部下を「お前」と呼ぶ心理
どの部下も等しく「お前」と呼ぶ上司の場合、可能性として高いのは権威をひけらかしたい時です。逆に特定の部下を「お前」と呼ぶ場合は二つのケースが考えられます。
一つ目は、他の部下と比べて、特定の部下のみを貶めたいと考えた時です。または、自分より立場が下であるというのを他にもアピールしたいと思っているからです。もし、「お前」という二人称を特定の部下に使い、その部下に対して過剰なノルマを要求したり、逆に過少すぎる内容の仕事をやらせたりという、いわゆるパワハラまがいの扱いがある場合は、この可能性が高くなります。
二つ目は、先ほどご説明した通り、部下に対して親しみを込めている場合です。特に心理的距離が違い特定の部下に対して、蔑称でなく親しみを込めて使う事があります。ただこれが女性の部下の場合は、少し話が違います。そこには「自分のモノにしたい」という願望が込められていたり、また他の男性に対して権勢の意味を込めて使う事があります。
普段「お前」と呼ばない上司がこの言葉を使う心理
常には「お前」という言葉を使わない上司が突然この言葉を使ったとしたら、上司が恐らく感情的になっている時です。
多くの人は会社という公的な場所であまり「お前」という二人称は使いません。それは前述した通り、ネガティブなイメージがあり、その言葉を使う事で不愉快に感じる人がいるからです。そのため、余程身内と感じている人でない限り、使うのを避けるべき言葉でもあります。
しかし、それを敢えて使ったとした場合、上司がそういった配慮も忘れて何か感情的になっているという事が考えられます。
これはあなたが何かミスをして、怒られている時であれば、それは仕方ありません。上司も適切な表現でないのは理解していますが、それを止められないほど感情的になったという事です。
しかし、そういったミスもなくこの言葉を使うとしたら、何かあなたの知らない所で上司があなたにたいして 感情的になった理由があるのかもしれません。
上司が「お前」と部下を呼ぶ事は問題か否か?
最近の会社でも部下を呼び捨てにするのではなく、「さん」を使うようにルール化しているところも多いです。というのも、部下に対しても敬意を払うようにというのを意図しています。この背景にはブラック企業による部下の奴隷化や、パワハラの問題があるからです。
この流れから言うと、部下を「お前」と呼ぶことについては、そのうち使う上司が問題視されるようになるかもしれません。
前述したように「お前」という二人称には相手を貶める意図と、親しみを込めて使う場合があります。受け手がどのような心理で発信しても、受け止め手が不愉快と感じれば、そこでハラスメントは成立します。
そのため、悪い意識もなく「お前」と部下に使っている人は注意した方がいいでしょう。また、仮に上司が「お前」呼ばわりしても、それは相手を貶めようとしているとは限らない事を留意してあげるといいかもしれません。