パニック障害の発症!?上司に怒られたことが原因の時の対処法
会社で上司に怒られる度、心臓の動悸が激しくなる、震える、胸をぎゅっと押されるような息苦しさと不快感、めまいや震え、発汗などの症状を抱えてはいませんか?
もしかしたらそれは、”パニック障害”と呼ばれる、心因性の発作かもしれません。
もし、自分にパニック障害の症状が出ている時――そしてそれが、上司の叱責などによるものが原因の場合、どのように対処していけばいいのでしょうか?
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会社の上司に怒られて動悸・息切れが… これってパニック障害?
会社に上司に怒られることを好む人、というのはそうそう存在しないでしょう。
出来ることなら、怒られることなく過ごしたい、そう思っても、未熟なうちは誰でもミスをしてしまうもの。
ただ、その叱責を受けることで、パニック障害を発症している人も、実は存在します。
この、パニック障害とは、一体どんな病気なのでしょうか?
少し前までは、国内では、パニック障害と呼ばれるこの病気は、”不安神経症”の一部とされおり、認知度も低いものでした。
しかし、パニック障害の病気の症状が一定であることなどを受け、現在では別の病気として扱われるようになっています。
その、パニック障害の主な症状は以下の通りです。
- 心臓・呼吸器などの循環器の症状:動悸・息切れ・窒息感(実際は何の問題もないのに、息が出来ないように感じること)
- 胸部・腹部の症状:胸の痛み・吐き気・胸や腹部の締め付けられるような不快感
- 全体の症状:体の一部、または全身のしびれ・発汗・震え・さむけ、または発熱したように感じる
- 感覚の症状:めまい・ふらつき・意識が遠のく・現実が遠くに感じる(離人症状)
- 精神的な症状:自分の心がコントロールできない・「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖感
こうした症状を”パニック発作”と呼びますが、実は、100人に1人は、この発作を体験している、あるいはパニック障害を発症しているというのです。
会社の上司に怒られて、パニック障害を発症することは珍しくない
特筆すべきは、パニック発作が起きている時、「このまま死んでしまいそう」という不安感・恐怖感に襲われる、という点です。
実際には、パニック症状が収まり平均的に10〜30分程度で収まります)ますし、身体的な症状も存在しませんから、不意に不安感を伴う前述の症状が起きている時は、内科的疾患よりも、パニック障害を疑ったほうがいいでしょう。
パニック障害は、心因性のものですから、内科的な検査を行っても、異常は発見できません。
しかし、パニック症状を放置していると、慢性化し、別の神経障害などを引き起こすことになります。
また、パニック障害にも段階があり、
- パニック発作:心身に現れる症状
- 予期不安:「また発作が起きるのではないか」と、常に不安になる
- 広場恐怖:以前、パニック発作が起きた状況と同じシチュエーションが怖くなる
- うつ病・うつ状態の併発:心身の不調がうつ病のきっかけとなる
と、徐々に日常生活が送れないほどになってしまいます。
上司に怒られたことでパニック発作を起こした人を例にすると、
上司に怒られて発作を起こす→「また怒られて発作を起こしたらどうしよう」という不安から、仕事に行けなくなる→仕方なしに出社して発作を起こす→ますます仕事に行けなくなり、結果、うつ病・うつ状態に陥る
――となるのです。
上司に怒られたことが引き金でも、パニック障害自体は珍しくない
パニック障害を発症するのは、脳内神経伝達物質(ノルアドレナリン・セロトニン)の分泌のバランスが崩れるためであるとされています。
これはうつ病と同じメカニズムであり、日頃から強いストレスを受け続けると、これらのホルモンの分泌機能が低下してしまい、パニック発作がいつ起きても不思議ではない状態になります。
その引き金となるのが、上司に怒られることや、仕事場でのミス、いじめといったものから、仕事の疲れなどストレスといったものです。
パニック障害を発症することは、先に触れた通り、決して珍しいことではない――むしろ、100人に1人というパーセンテージは、こうした疾患を考えた時には、かなり高い確率であると言えます。
勿論、一回で済む人、すぐに快癒する人もいますが、それは人それぞれです。
恥ずかしいことでも、上司に怒られたことが原因でも、全く恥ずかしいことではありませんから、慢性化・重症化する前に、心療内科や精神科で治療を受けましょう。
勿論、本当は、別の疾患――特に動悸・息苦しさ・胸の痛みなどは、内科的疾患の可能性がないかを合わせて検査しておけばいいでしょう。
パニック障害の治療法、どんなことをするの?
パニック障害の治療法には、薬物療法と心理療法(認知療法)の両立が一番有効的だと言われています。
そうした精神的な疾患用の薬を飲むことを躊躇する人がいますが、そうした心配は全く不要です。
何故なら、パニック障害もうつ病も、症状が出ている”場所”が精神的なことに関わる部分であるだけで、実際には脳内物質の分泌機能が低下しているという、れっきとした肉体的な疾患だからです。
風邪を引いた時に、風邪薬を飲む、胃痛の時に胃薬を飲む、そうした服薬と全く同じことですから、必要以上に怖がる必要は全くありません。
ただ勿論、自分の判断で服薬を辞めてしまうことだけは絶対に止めましょう。
中途半端な治療が、他の病気の治療でもご法度なのは同じですよね?
そしてもう一方の認知療法とは、パニック症状を起こさないため、どのように過ごしていくべきか――つまり対処方法を学んでいくというものです。
服薬で体の状態をゆっくりもとに戻し、加えて、二度と発作を起こさないための、自分に見合ったストレスの発散方法や不安感を逃がす方法を身につけるのが、パニック障害の治療には必要です。
パニック障害も重大な疾患。早期に治療を初めて
決してパニック障害の辛さを自分の中だけに留めない、ということも重要です。
現在は、精神的な疾患に対する誤解や偏見も少なくなってきました。
ですから、上司か――それとも、直属の上司に怒られたことが引き金となっていて話しづらいのであれば、更にその上の人や、人事部などに相談をしましょう。
この時、自分の口で説明しづらいならば、病院で診断書を書いてもらい、それを提出するのもいいでしょう。
そして、日常生活の見直しも、忘れてはいけないことです。
人間の体は、朝、明るくなったら活動し、夜になればゆっくり眠る。そして常に適度な運動と、十分栄養を摂取する、過度の刺激物を摂取しないことなどを徹底すれば、徐々に回復していくものです。
パニック症状が出た、ということは、体が「今のままでは体が大変だよ!」と警鐘を鳴らしている状態とも言えるのですから、生活態度の見直しも必須なのです。
いずれにせよ、誰にでも罹る可能性のあるこの病気は、決して罹った人の心が弱い、という類の疾患ではありません。
早いうちに治療を開始し、穏やかな日を取り戻せるよう、ゆっくり治療していきましょう。