気分屋の上司に振り回されて疲れる前に 正しい対処法とは
気分屋の人の相手をするのは、疲れるものです。
それが、プライベートな人間関係であれば、余裕のある時だけ相手にしたり、付き合いきれないと感じたならば、それまでだと割り切ることができますが、果たしてそれが上司だった場合には、どちらかが異動するなどしない限り、ずっと付き合い続けなければなりません!
もし、自分の上司がそうした気分屋だった場合、どのように対応すればいいのでしょうか?
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気分屋の上司の相手に疲れる… 何かいい付き合い方はある?
気分屋の人の扱いに手を焼いている人は、存外に多いものです。
その気分がいい方に――例えば、周囲をその気にさせてくれるようなポジティブな方向に向いている時はいいのですが、一度こじれてしまうと、さっきまでと言っていることが、全く反対になってしまったり、その人の機嫌に周囲が合わせなければならなくなったりと、付き合いに疲れることも。
そんな気分屋な人が上司だった時には、部下は疲れるどころの話ではなくなってしまいます。
特に、気まぐれで指示を変える、言っていることに整合性がない、部下に当たり散らしたりと、実害のあるタイプの気分屋だった時には、仕事に対する心構えまで変わってしまいます。
しかし、部下は上司を選ぶことはできません。
気分屋であっても、仕事自体は出来る人であれば、単に「気分屋で付き合いづらい」ことだけを理由に上役に掛け合ったところで、無駄に終わるばかりか、逆に自分の立場が悪くなってしまう可能性すらあります。
しかし、そんな気分屋上司との付き合い方には、あるコツがあるのです。
部下は気分屋の上司の機嫌に振り回されるから疲れる
気分屋の上司の扱いに疲れる原因として、一番多いのは”上司の気分に振り回される”ことでしょう。
部下はどうしても、上司と上手くやっていきたい、仲良くなっていけば何かと楽、そんな気持ちを持っているものですから、上司の気分に合わせよう、その気持を理解しようと頑張りがち。
それは処世術としては、決して間違っていないのですが、気分屋の上司の機嫌に合わせていては、どんなにタフな人でも疲れ切ってしまいます。
ということで、まず初めに挙げられるコツは、ずばり『上司の機嫌を気にしない』です!
あれこれと、目に映るもので機嫌を変えるような人に付き合って、それに見合った行動をしていても、キリがありません。
例えばコーヒーが飲みたい、と言ったからコーヒーを出したのに、ちらっと見た緑茶のCMが美味しそうだったから、やっぱり緑茶を!と、コロコロ変わる要求全てを飲み込む必要はないのです。
「じゃあ、今度は緑茶を用意しますね」と、ニッコリ笑ってコーヒーを机に置いてしまえばいいのです。
気分屋の上司の”スイッチ”を把握して、疲れる前に距離を置こう
続いて、気分屋の上司に疲れることなく付き合うコツとして挙げられるのが『機嫌の変わるスイッチを知る』、『機嫌が悪い時には接触しない』です。
特定の話題の時に限って機嫌が悪くなる、この話題をすると機嫌がよくなる、そうした分かりやすい話題や、機嫌の変わる”何か”を把握できれば、自分が上司の機嫌を損ねる起点になることもありませんし、周囲の人間に対してのフォローがしやすくなります。
そして、機嫌が悪そうな時には、最低限の接触に留め、自分からは(挨拶や用事がある時は別として)話しかけず、やり過ごしましょう。
何故、そのスイッチに触れると機嫌が悪くなるのか、そこまでを把握する必要はありません。
そこに意味を求めても、こちらの納得のいく回答があるばかりか「なんでそんなことで」と思うような理由であることも少なくないからです。
ですから、上司の機嫌が悪い時には、自分の仕事に集中しておきましょう。
気分屋の上司にやり返したくても、喧嘩はご法度!
気分屋の上司に振り回されて、我慢の限界になってしまった時は、どう対処すべきなのでしょうか。
万一、気分屋の上司と喧嘩になってしまっても、勝ちたいと思うならば、理路整然と、順序立てて相手を論破していけば、ある意味簡単に勝つことが出来るでしょう。
が、会社は喧嘩をする場所ではありません。
上司と喧嘩をする、ということは(例え上司の気分屋なところが原因であっても)”扱いづらい部下”だというレッテルを自分から貼ってしまうことになりますし、社会人として大人気なさすぎる態度です。
ですから、怒りは最もですが、そこは堪えて、正規の手段で抗議を行いましょう。
抗議を行う相手は、更に上の立場の管理職に当たる人です。
上司に振り回されて、どんな実害が起きているのか。
命令をコロコロと変えられることで、仕事にどれだけの実害が出ているか。
そうしたことを、出来れば複数人、かつ客観的に判断できる証拠を揃え、相談するほうが、喧嘩をするよりもずっとマシで、社会人として正しい対応です。
わざわざ自分の評判・評価を落としてまで、上司と喧嘩をする価値は全くありません。
気分屋の上司に正面からぶつかっても疲れるだけ
時に、見ているこちらが気持ちが良いほど、気分屋の上司を上手にあしらえる人がいます。
こうした人は、何よりも空気を読む力に長けています。
「今は上司の言う通りにしたほうがいい」
「この暴走は止めるべきだ」
「話をBからAへと向けさせるには、いつ切り出せばスムーズか」――等、ほんの少しの空気の違いさえ読み取り、その通りに動ける人が、これに当たります。
実際、気分屋の上司にとっても、このように自分の手綱を上手く引いてくれる人は心地よいため、最大限の信頼を置きます。
ただ、これはそれまでの人生の中で身に付けた処世術に因る部分が大きいので、誰にでも出来る技ではありません。
むしろ、やはり無理をしてしまい、自分だけが疲れる、という結果になりかねません。
ですから、気分屋の上司と付き合っていかなければならないならば、まずは”振り回されない”、”気分の変わるスイッチの把握”、”機嫌が悪い時は近付かない”に務めたほうがいいでしょう。
それさえ出来れば疲れることも、自分が上司の怒りを買うこともありません。
部下は上司を選べません。
しかしそんな上司に当たってしまった以上、疲れずに済むよう、上手く切り抜けましょう。