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会社で虐められても証拠がないならできることは限られる!そうならないために

会社で毎日近くの同僚や上司から脅され、怒鳴られ、侮辱され、馬鹿にされていると感じるなら、あなたは虐めを受けています。

会社の虐めに立ち向かおうとした時、必要になるのが虐めの証拠です。虐めと闘うために上司や人事課に申し立てをするとしても、そこで必要となるのが証拠や証人です。たとえみんなが虐めについて知っていたとしても、証拠がないなら、彼らも動きようがありません。

会社で起きる虐め、証拠がないのは加害者の巧妙な戦術

職場で虐めがあれば、誰もが眉をひそめるはずだと思うかもしれませんが、実は加害者は周囲の怒りを買わないようにする巧妙なテクニックを持っています。

虐めの加害者は周りで誰も見ていない時に、虐めの標的に対して卑劣なことを言ったり、その人の能力では手に余る難しい仕事や、逆に単純すぎる不適切な仕事を与えたりします。しかし他の人には簡単に見抜けないやり方をします。何気なく噂を広め、悪意のある行動の証拠は破壊し、虐めの行為を隠蔽します。

また隠蔽のもう一つの形は、単純に虐めの加害者や目撃者が何も起こらなかったかのように行動し、暴力行為が起きたことを否定することです。

虐めの加害者は直接的に攻撃し、標的の仕事が標準に達していないと主張し、その仕事への貢献を否定したり、会議でその仕事をけなしたり嘘を言ったりすることもあります。

そのように標的の性格が疑問視され、レッテル貼りがされるように誘導した上で、彼は妄想を抱いているとか、怠け者だとか、不安定だ、不平ばかりを言っている、素直でないと周囲にネガティブな印象を植え付けます。

証拠がないまま会社で受ける虐めに立ち向かうのは無謀

虐めの行為を全く逆の意味に言い換えてしまうこともよく使われる戦術です。あなたのために善意でやっているのだ、あなたが社会人として成長するための指導であり、正当なことだと主張します。または被害者が何か不適切な行動を取って、それが加害者を怒らせたのだと、被害者と加害者を逆転させるのもよく使われる手です。

虐めに悩む被害者は公式チャンネルを使い、社内の人事部に苦情を申し立てたり、または外部の行政機関などに頼ろうとすることもありますが、ちゃんとした証拠を揃えて準備していなければ、なかなか満足できる結果にはなりません。失敗すれば新たな嫌がらせが待っていて、ますます苦しみが増すことになります。

脅迫や賄賂が虐めの問題にはつきものです。被害者はしばしば、何かをすることで虐めがエスカレートすること、または解雇や降格を恐れて、加害者の脅しを受け入れます。また同僚の中には上司に取り入るために虐めに加わる者もいますが、これが一種の賄賂と言えるものです。

会社での虐め、証拠がない時は直談判してみましょう

虐められている本人は何が起きているのかよく分かっていますが、当事者以外は、時に加害者本人を含めて、よく分かっていないことがあります。

まず直接加害者に、肯定的な言葉で直接伝えてみます。「ちょっと下がってください」 「私の部屋に入る前にノックしてください」 「丁寧に社会人らしく話してください」

これでうまく行かない場合は、不適切な行動を具体的に指摘する必要があります。「仕事中に、私にのしかからないでください」「怒鳴り声を上げないで下さい」

言葉で警告しても虐めが続く場合は電子メールや手紙などの書面にして相手に送り、何らかの形で受け取ったことの確認を取ってください。

いつも他人を虐めている人の中には、自分が他人にどんな影響を与えているのか分かっていない人がいます。そうした人の中には、直接それを指摘してやると、すぐに過ちを理解し恥ずかしいと思って、教えてくれたことに感謝する人さえいます。あなたがそのような人に虐められていたなら、問題の解決はそれほど難しくありませんが、深く染みこんだ習慣を変えるには繰り返しメッセージを送ることが必要なこともあります。

しかし中には変わることができない、または変わりたくないという人もいます。場合によっては指摘することでさらに頑なになって、事態をさらに悪化させてしまうこともあります。 ですから最初のメッセージは慎重に考え、激しい反応が返ってきたら、別のアプローチを探る必要があります。

次のアプローチは証拠を集め、対決に備えること

これには2つの要素、記録を取ることとコミュニケーションがあります。まずは文書、何が起こったのか疑う人も納得させるのに十分な証拠が必要です。

まず拠り所になるのは日々起きたことを日記に記録しておくことです。「午前10時に上司の机の上にレポートを載せた。彼は10時15分に私のオフィスに来て私の目の前でレポートを破ると、それを私の机の上に放り投げ、静かに笑って『これはゴミだ』と言うと、私が何かを言う前に出て行った」といった風にです。

日記は個人的な記録であり、偏っていると非難されるかもしれませんから、それを裏付ける資料、例えば電子メールや手紙などが必要です。目撃者の証言も重要です。会議の席で上司があなたが話すたびに軽蔑するような発言をするなら、そのことを書きとめて目撃者に署名してくれるよう頼んでください。

ここで他の人の支持を集めるという際どい問題が出てきます。何人かの支持者がいれば、はるかに強い立場に立つことができますが、あなたを支持すると言った後で上司にご注進に及んだり、あなたの弱点を晒してあなたを傷つけようとする人が出てくる可能性があるので、慎重にする必要があります。

まずは信頼できる同僚に話をしてください。彼女が「上司が会議であなたをやり込めるのを見ました」と言ったら、「それを書面で確認してもらってもいですか?」と頼んでみます。彼女が「はい」と答えたら、その出来事を要約した電子メールを彼女に送って、同意するかどうか返事をもらいます。

同僚の中に何人も嫌がらせを受けている人がいる時は、力を合わせて情報を収集することができます。

たとえば法律に違反しているなど、その行為が非常に深刻な場合は、電話や直接顔を合わせた時に会話や行動を密かに録音することを検討してもいいでしょう。ただし会話を秘密に録音をするのは重大な信頼の侵害ですから、関係が修復が見込めず、相手の行動が極めて重大である場合以外はやってはいけません。

準備が整ったら、本格的な戦いに臨みます

たくさんの質のよい証拠文書が揃ったら、問題の要約を書く必要があります。単純に事実だけを述べ、タイトルと問題を1文で表す文章からから始め、全てを1ページにまとめてください。あなたや職場について何も知らない人でも理解出来るようにし、何人かの友人に草稿を見せて、答えを聞いて書き直し、漢字の間違いなどがないように確認してください。

短く明確な要約と、たくさんの裏付け文書が完成したら、より多くの人に問題を明らかにする準備が整いました。最初は一部の同僚や直接関与していない上級職員など、少数の人達に伝え、その後の方針についてアドバイスを求めるのがいいでしょう。

ここから先は人事部に持ち込み、虐めの加害者と公に対決するという、精神的に非常にハードなプロセスが待っています。人事部から調査を受け、嫌な質問をされたり、職場でも周囲から浮いてしまい、いづらくなることもあるはずです。さらに虐めの加害者が上司なら、勝てる見込みはあまり大きくありません。

うまくいかなければ、自分の方が会社を辞めることになるかもしれない、その覚悟はしておいてください。

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