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なぜ急に?上司が呼び捨てに変えた心理とは

新しい職場に入ると自己紹介をする機会が多いと思いますが、そこで親しみを持ってもらうために今まで呼ばれたことのあるニックネームを紹介する人もいますよね。しかし特に何も言わなければ、老若男女問わず初めのうちは「○○さん」と呼ばれるのが一般的だと思います。

時間が経つにつれて呼び方が少しずつ変わってくるのはよくあることですが、上司からいきなり呼び捨てにされるようになるとちょっと違和感がありますよね。急に呼び方を変えた心理とは一体どのようなものなのでしょうか。

上司が呼び捨てするようになった、考えられる心理状況

それまで“さん”付けで呼ばれていたのに、いきなり呼び方が変わると違和感がありますよね。それも呼び捨てになればなおさらです。呼び捨てで呼ばれると口調が少しきつめに聞こえることもありますし、上下関係がはっきりとしたようで苦手だという方もいるのではないでしょうか。

しかし呼び捨てに変えた理由はネガティブなことだけとは限りません。仕事仲間の一員として認められた、ウェルカムの気持ちから呼び方が変わったということも考えられます。友達同士ではさん付けをしないように、呼び捨てにした方が一気に親近感がわきますし、距離も近づくような気がしませんか?

あなたにもっとこの職場と馴染んでほしい、早く仲間と打ち解けて楽しく仕事ができるようになってもらいたい、そんな気持ちから上司が率先して呼び捨てにしているという可能性もあります。

正直上司でも呼び捨てにはされたくない、一歩下がっていたい若者の心理

しかしすべての人が呼び捨てのポジティブに捉えるわけではありません。大して仲良くもなければ、ましてや友達でもない。馴れ馴れしく聞こえる呼び捨てにはされたくない、そう考える人たちもいます。

特に現代の若者は昔に比べ、定年までこの会社で勤め上げる・会社のために自分の力をつぎ込む、といった考え方が薄れています。愛社精神が薄れているとも言われますが、終身雇用という制度がなくなりつつある現代では、会社はあくまで自分のステップアップとしての手段。会社に利用されるのではなく、逆に利用して次に繋ぎたいと考える人が増えています。

そうした考えから転職率も増加傾向にあり、中途採用などで年上の後輩ができることも珍しくありませんよね。入社してきた側にどんな経歴やスキルがあろうと新人で後輩であることには変わりませんが、上司といえど年下から呼び捨てにされるのは気に食わない、というケースもあります。

自分の心理としては嬉しくないのが本音、上司に呼び捨てをやめてもらうには?

最近では社内におけるパワハラ・セクハラは社会問題にまで発展してきています。上司からすれば何気ない一言であっても、言われた側には一生残る傷となることもあります。そうした積み重ねが自殺という最悪の結果に繋がってしまうこともあるのです。会社で怒られたくらいで情けない、ちょっとからかわれたくらいで、そんな事を言ってはいられないほど社会に出てからうつ病を発症する人が急増しています。

呼び方一つをとっても、自分にとって不快である場合は改めてもらうしかありません。呼び捨てにされることで威圧的に感じる・自分だけ呼び捨てで馴れ馴れしく接してくる、そんな悩みを感じ始めたら早いうちに周りの人へ相談しましょう。社内の信頼できる先輩や同僚でもいいですし、変に陰口と捉えられてしまうのが心配であれば家族でも構いません。大切なのは自分一人で抱え込まないということです。

呼び捨てにすることで考えられるリスクとは

会社によっては呼び方にルールを設けている場合もあります。一昔前であれば、女性に対しても「○○くん」と呼ぶことも珍しくありませんでしたが、これが女性蔑視や男尊女卑にと通ずるものがあるとして禁止にしている会社もあります。

役職や年齢関係なく風通しのいい社内にするために、あだ名や下の名前で呼び合おうという風潮の会社もありますね。新人のうちは毎日緊張しながら業務にあたるかと思いますが、みんなからあだ名や呼び捨てで呼んでももらうと、温かく迎え入れてくれているようでやりやすいというメリットがあります。

しかし気をつけなければこのメリットはデメリットともなり得る可能性があるのです。オフィスワークの場合は、普段働いているスペースと来客用のスペースに区切りがあることがほとんどですが、サービス業はそうではありません。自分たちの働くスペースがお客様に楽しんでもらう空間であり、ホテル・飲食・アパレルなどほぼすべての職種にこれが当てはまります。

お客様の前で呼び捨てやあだ名で呼ぶのは好ましくありませんが、日頃の癖でついつい言ってしまったりするもの。そんな小さなことで・・・と思いますが、現にこれがクレームに発展することもあるのです。

呼び捨ての波に乗り遅れたらどうすればいい?

新しく職場にやってきた新人をはじめのうちはさん付けで呼んでいたけど、気付けば上司を筆頭に呼び方が変化。だけど今さら急に呼び捨てにするのも・・・そんな気持ちよく分かります。性格が真面目な人ほどこんな場面に遭遇しやすいのではないでしょうか。

完全に周りから乗り遅れ、なんて呼んだらいいのかわからない。そんな時は無理せずそのままの呼び方を継続しましょう。周りと違うことで少し距離があるかのように感じてしまいますが、逆に一人だけ呼び方が違うと、相手から呼び捨てでいいですよと提案してくれる可能性もあります。呼び捨てをされるのが苦手な人がいるように、逆に呼び捨てで呼ぶのが苦手だという人もいます。“さん”だとよそよそしいと感じるのであれば、“ちゃん”や“くん”と少しくだけた呼び方に変えてみてはいかがでしょうか。

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