上司の態度がコロコロ変わるのが悩みという方への処方箋
あなたの上司はある日は完璧に紳士的で魅力的なのに、翌日は態度がコロッと変わって攻撃的で不機嫌な人間に変身しますか?
これは何百万という人が同じく抱えている悩みですが、気分屋の上司を相手にするのは簡単なことではありません。
気分屋の上司はどんな態度で職場に現れるか分からず、その日の気分で職場全体の雰囲気が決まってしまい、チーム全体に不愉快な思いをさせてしまいます。
上司の態度がなぜコロコロ変わるのか、なぜ部下にそれをぶつけるのか、背後にある理由を全て解読することはできませんが、影響を最小限にするコツがあります。
このページの目次
態度がコロコロ変わる上司をあなたがコントロールすることはできません
まず最初に肝に銘じなければならないのは、他の人を変えることはできないということです。態度がコロコロ変わる気分屋の上司を相手にすることは、要するに自分がどう反応するかということです。しかしまた、これだけは譲れないという最後の一線もきちんと引いておきましょう。
不機嫌な上司の犠牲になるのは理不尽な話ですから、上司に翻弄されることなく仕事に没頭するためには、自分自身を主張し、予測不能な上司から身を守る努力が必要です。
職場とは親しくおしゃべりしたり、一緒に夕食を取ったりしたいと思わないような人達と付き合わなければならない場所です。職場はいろんな人生を歩み、色々な性格の人達と仲良くしなければならない、一種の社会の縮図です。
上司も上から大きなプレッシャーを受けていて、態度にむらがあるのはそれほど珍しいことではありません。ですから上司の気持ちを変えることは外からは不可能で、自分で気がついて初めて変えることができるのです。そしてその時は決して来ないかもしれませんから、ただ受け身の姿勢でそれを待つのはやめましょう。
あなたが変えることができるのは、上司の態度の急変に対するあなたの対応と、それが自分に及ぼす影響をどう見るかです。自分の性格のせいで上司がそのような態度を取ると考えると、それが上司の持ち前の性格で誰彼構わず当たり散らすのだと思うよりも、上司と一緒に働くのがずっと難しくなります。
上司を変えることはできないが、現実的な視点を持つことはできると認識することで、自分の状況を改善するための第一歩を踏み出すことができます。
何が上司の態度が変わるきっかけになるのかを探りましょう
それでは具体的な処方箋の話に入る前に、まずは何が本当に起こっているのか理解しましょう。人がそのような行動を取るのは、個人的な問題を抱えていて、それが仕事に影響している場合、少ない予算や人員で成果を出すように上から強い圧力を受けている場合、仕事に対する自信が持てない場合、失敗や精神的なトラウマを隠そうとしている場合などがあります。
または何かきっかけになることが起きることで、気分がガラッと変わってしまうことがあります。これらの爆発には何らかの規則性があることに気付くかもしれないので、何がきっかけになるのか、よく注意し、観察してみてください。会議の前後、納期が迫っている時、または監査の前に緊張して、それが引き金になっているのかもしれません。
これは気分変化のレーダーを働かせる役に立ちます。事前に兆候を察知できるようになれば、できるだけ嵐に近づかずにいる事も可能になります。
上司の態度が変わることに敏感な人を味方につけましょう
上司のより近くで働いている同僚は、嵐が勃発しそうなときにあなたに警告することができるので、貴重な味方になります。いつ機嫌がいいのか、そして緊急事態や危機はいつ訪れるのかを認識していて、その裏事情も教えてくれるかもしれません。
自分自身が態度の変化の原因になっていないかもチェックが必要です。時間にルーズだったり、欠勤が多い、締め切りを守らない、同僚とうまく付き合えない、目標が達成できないなど、業績低下に繋がる原因になっている場合は、上司をいらだたせることになるでしょう。もし思い当たることがあるなら、自分もそうしたことを改善するために努力をしなくてはなりません。
また上司が機嫌が悪い時に、自分もそれに感染することがないように気をつけてください。それはさらに職場の雰囲気を悪化させ、悪循環に陥り、スタッフの士気に悪影響を及ぼしてしまいますから、冷静を保ち、気持ちをかき乱されないようにしてください。
事態が深刻化したら、記録を取って上司と話し合いましょう
上司の気分の変化があまりにも大きすぎて仕事に悪影響を及ぼしている場合は、被害を最小限に食い止めるため、脱出計画を立ててください。仕上げなければならない報告書がある、緊急にかけなければならない電話がある、クライアントとのアポがある、ひどい頭痛がする、などなど、言い訳を考えて、降りかかる火の粉から逃げ出して、自分も上司の気分に毒されることを防ぎます。
上司の行動が単なる不機嫌から常習的なハラスメントに変わったら、何が起きているのかを全て書き留めるようにしてください。たまたま機嫌が悪かっただけというのと、本格的なハラスメントの間には微妙な区別がありますから、限界点に達して人事部に助けを求めたり、上司と話し合いをする時に役に立ちます。
上司と話し合いの場を設けることになったら、その時期は資料のそろい具合などを考えて賢明に選択してください。上司に何が問題なのか尋ねられた時に、大声を出す、かんしゃくを起こすなどの特定の行動が、あなたの業績に影響を与えていることをきちんと指摘できるように準備をすることが大切です。上司は覚えていない振りをしたり、自覚していない場合があるので、そこで証拠書類が大いに役立ちます。
またこうした場では上司の方からもあなたに対する不満が出てくることもあるはずですから、それは真摯に受け取って、自分に改善できることがあれば努力することが重要です。
上司のセラピストにならないように気をつけましょう
上司が蒸気を噴き出す時、たいていは仕事をうまくやるために何か強調したいことがあるものです。もちろん、単に意味もなく人をなじっているだけという場合もあるでしょうが、多くの場合はちゃんと耳を傾ける必要があります。何もそんなやり方をしなくてもと思うでしょうが、そこは我慢するしかありません。
ここはうまく人の話に耳を傾けるテクニックが必要となる場面です。上司のいらだちや怒りばかりに気を取られることなしに、上司の意図を汲み取ってください。そうでないと再び仕事に取りかかった時に、たくさんの質問をしなければならなくなって、さらに上司の機嫌を損ねることになりかねません。
また、上司が自制心を失い、怒りをまき散らしても、セラピストとして行動する必要はありません。あなたはそのような仕事をする資格ありませんし、給料にその分は含まれていません。
他の人の内面の痛みを吸収するための訓練としてこれを扱ってはいけません。ここは職場であり、治療施設ではないのですから、あなたは他の人の痛みに対して責任を負いません。同様に、脅迫的と考える行動についての評価は客観性を保ち、自分の思い通りにならないからといって、嫌がらせをしていると誰かを非難することは避けてください。