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パワハラを労働基準監督署に匿名で通報する時の問題点とは

会社でパワハラを受けている時に、誰にも相談できずに労働基準監督署に通報したいと思うことはあります。

自分の名前がバレてしまって後からトラブルになるのを恐れてしまし、匿名で通報したいと考えるのも理解できます。

匿名でも労働基準監督署に通報することはできますが、いろいろと問題があるようです。

そこでパワハラを労働基準監督署に匿名で通報する時の注意点について紹介します。


労働基準監督署に匿名で通報するならパワハラの物的証拠が必要

自分がパワハラの被害を受けていることを労働基準監督署に通報するのであれば、匿名であっても必ず物的証拠が必要となります。

労働基準監督署は働く人の味方となってくれる存在ですが、無条件で何でも味方になってくれる訳ではありません。

労働基準監督署は労働基準法に違反した働き方をさせている会社に対して、注意勧告や是正勧告を行うことができます。

ただし注意勧告をするにはパワハラを行っている証拠が必要になるので、匿名で通報しても何も対処することはできません。

労働基準監督署も匿名の通報があっただけでは会社を注意したり捜査することはできないので、証拠が必要となります。

そのため匿名で通報しても結局は物的証拠を持っていかなければならないので、匿名通報しても名前はバレてしまいます。

もしも匿名で通報して何でもできるのであれば、嫌がらせをするような人が出てきてしまいますし、あくまでも労働基準法に違反していなければ行動することができないことを理解しておきましょう。

パワハラを労働基準監督署に匿名通報するのは覚悟が必要

パワハラを受けて労働基準監督署に通報するなら、匿名で通報しても覚悟が必要になります。

理由としては匿名通報をしても労働基準監督署は動いてくれず、物的証拠を集めてから調査しなければならないからです。

そのため会社としては誰が労働基準監督署に通報したかはわからなくても、調べれば誰が通報したかは予測できるので、バレてしまう可能性が高くなります。

例えば日々の言動がパワハラだと指摘されて証拠を提示されれば、誰に言った言葉なのかすぐに推測することができます。

そのため例え匿名で通報しても証拠を提示することで、誰が通報したかがバレてしまうので覚悟が必要です。

バレても改善したいという強い意志を持っていたり、どうにかして仕返しをしたいと思っているなど、強い動機が必要となります。

例えバレてもしっかりと改善してもらえるのであれば、今後働きやすくなるかもしれないので、ずっとパワハラに耐え続ける必要はありません。

いずれにしても労働基準監督署に通報するなら相当な覚悟を持って通報する必要があります。

労働基準監督署にパワハラを匿名通報しても優先度は低い

労働基準監督署にパワハラの実態を匿名通報しても、結局は優先頻度は低くなる可能性が高いことは理解しておきましょう。

働く人の味方となってくれる労働基準監督署は、会社の敵という存在ではありません。

あくまでも労働基準法に違反しているかをチェックし、違反をしていたら改善するように指導するのが役割となっています。

パワハラを受けている本人は自分が被害を受けていれば、過剰に反応してしまうことが多いものです。

例えば少し上司に怒られた時に自分がパワハラだと思えば、自分がパワハラを受けていると過剰反応してしまうこともあります。

もちろんパワハラ被害を訴えるなら、継続的にパワハラを受けている証拠が必要となります。

しかし労働基準法に違反していることを是正するのが労働基準監督署の役割ですし、調査をしてから注意するまでには時間が掛かります。

他にも多くの案件を抱えていれば匿名通報は優先度が低くなってしまうので、通報するなら匿名ではなく名前と証拠を提示することをお勧めします。

労働基準監督署に連絡してもまずは自分で解決しろと言われる

自分がパワハラを受けていて耐えられないと思い、意を決して匿名で労働基準監督署に通報したのに、簡単にあしらわれてしまった経験のある人もいます。

パワハラを受けていることを告発して労働基準監督署が調査をしても、会社に注意をするだけしかできません。

労働基準監督署が例え調査をして改善命令を下したとしても、法的な効力は小さいので必ずしも改善されるとは限らないのです。

そのため改善するのは結局は会社側が自分達で是正しなければならないので、最終的には会社のトップが決めることです。

労働基準監督署からすると会社で問題があれば、まずは会社内で解決してほしいと思っています。

働き方に不満があってパワハラを受けているのであれば、まずは上司に相談をするのが一般的です。

さらには会社のトップに直談判をして、それでもダメなときは労働基準監督署に頼るしかありません。

自分では会社に言えないからといっていきなり労働基準監督署を頼られても、忙しいのですぐに対処することができないからです。

そのため自分で出来ることをやってから、万策尽きた後に最後の砦として労働基準監督署に通報するようにしましょう。

労働基準監督署に通報するなら労基に違反するか確かめること

社会的にもパワハラの問題は大きく取り上げられていますが、自分がもしもパワハラを受けてしまった時は一人で悩みがちです。

自分でできることをやってそれでもダメなら、労働基準監督署に匿名でも通報することはできますが、相当な覚悟が必要となります。

また通報する前には必ず労働基準法に違反しているのか、自分でしっかりと調べておくことも大切です。

仕事では嫌なことがあるのは当然ですが、自分が嫌だと思ったらすべてパワハラだと思うのはお門違いです。

労働基準法に違反していることを日常的に受けていると確信した時に、自分では解決できなかった問題を労働基準監督署に通報しましょう。

ここまで書いてきましたが、労働基準監督署に匿名通報しても結局最後は誰が通報したかはバレてしまうことがあります。

それでもパワハラを日常的に受けているのであれば、耐え続けるのではなく改善する方法を探すことが大切です。

最後まで読んでくれた方もパワハラ被害を受けているのであれば、労働基準監督署を上手く活用して状況が良くなることを願っています。

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