『ありがとう』への正しい返事、相手が上司の場合
上司や目上の方から『ありがとう』とお礼をされたら、どうお返事をすれば良いか、迷ったことはありませんか?
とっさの事に、『はい』?『いいえ』?と悩んだ挙句、失礼な返しになったりして・・。不適切な返答になってしまうと、相手に「本当は迷惑だったのかな?」と思われてしまいかねませんね。
今日は、そんなとっさのときに迷わないよう、どんなお返事が適切なのかを見ていきましょう。
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『ありがとう』には『どういたしまして』―上司への返事でも使用可?
『ありがとう』と言われれば、『どういたしまして』と返すのがごく自然なように思えますね。しかし、これは目上の方が相手でも通用するのでしょうか。
敬語に自信が無くても、なんとなく合わないような、失礼に当たるような気がしますよね。
『どういたしまして』に含まれる意味としては、伝えたい意図は同じかもしれません。しかしこれは良く見ると、”略語”であることに気づきます。 この言葉を、噛み砕いて丁寧に伝えるなら、上司への返事として適したものに生まれ変わります。
例えば、『こんなことしかできませんが・・』や『他にも何かあればいつでもお申し付けください』でもいいかもしれません。
『どういたしまして』は、上下関係の無い立場の相手であれば、逆に丁寧な言葉になりますね。
ただし、決して失礼の内容にしなければならない相手の時には、やはり使用しないほうがベターです。
上司の『ありがとう』には、肯定的な返事or否定的な返事、どちらが良いか
普段誰かに『ありがとう』と言われたとき、何気なく返事をする際『はい』と『いいえ』どちらで対応していますか?
家族や、明らかに目下のこども、バイト先の後輩・・のような相手であれば、肯定的な『はいはい!』『はいよ〜!』でも、軽いノリで相手に気負わせることもないですね。
さて、上司にはどうでしょうか?さすがに『はいは〜い♪』・・とは言いませんが、肯定的な返事の方がポジティブで良いのでは?とも思えますね。
実際のところ「これ」という正解は無いでしょう、しかしできれば”いいえ”の否定的表現ほうが、印象としては良いかもしれません。
感覚として、『はい』の方で応えるなら”やってあげた感”が生まれてしまいます。相手からすれば、ちょっと上から答えられているような、そんな気分になるかもしれません。
日本の心として、古来から《謙遜の気持ち》が美徳とされているように、ここは『いいえ』の方で対応するのがオススメです。
『いえ、こんなことで喜んでいただけて恐縮です』
『いいえ、とんでもございません。またいつでもお呼びください』
といったように、自分のしたことは大したことはありませんよ、といったニュアンスでお伝えするなら、上司にも気後れせずに過ごしていただけます。
上司からの『ありがとう』、親しい関係の場合の返事は?
先に述べたような”返事の仕方”は、距離感のある上司に対する返答として適しています。では、もう少し近しい間柄の上司にはどのような返事が好ましいでしょうか。
『どういたしまして』は、やはり、相手がいくら親しくても、上司である限りは控えたほうが間違いないかもしれません。
しかし、親しい間柄であれば『はい』の肯定的応対でも、気分を害されるようなことはないでしょう。『はい、またいつでも!』でもよいでしょうし、『はい!全然大丈夫ですよ〜!』のように多少日本語が合っていなくても、爽やかで好印象であれば雰囲気も柔らかくなり、恩着せがましくならないので良いですね。
細心の礼を尽くさなければならない相手でなければ、この「恩着せがましくならない返答」、「爽やかさ」、「簡潔」といったことを踏まえていればあなたの言葉で問題ないでしょう。
他にはどんな言い方がある?レパートリー集
上司の『ありがとう』に対して、毎回同じ回答では味気ないですね。『本当に迷惑じゃなかったかな?』と思われてしまう恐れもあるので、いくつかの返答を覚えておくのは良い事でしょう。では他にどんな返答の仕方があるか、回答例をご紹介します。
- お役に立てて良かったです(光栄です)。
- 喜んでいただけて幸いです。
- 恐縮です!
- 恐れ入ります。
- 他にもお手伝いできることがあれば、お申し付けください!
- とんでもありません(ございません)〜
- お役に立てたようで安心しました。
- こちらこそ勉強になりました、ありがとうございました!
- お力になれて光栄です(嬉しいです)。
などの言葉があります。
やはり、”謙遜””恐縮””感謝””畏れ(おそれ)”の気持ちがこもっていると、良い印象を与えられるようですね!
『ありがとう』への返答の仕方で、あなたへの印象も決まる!
言葉が与える印象とは意外に大きいものです。人は中身まで瞬時に覗き見ることが出来ないので、特にビジネスシーンでは、「言葉の使い方」という表面上の印象で相手への評価が決まります。
言葉尻がモゴモゴになってしまったり、こちらにそんなつもりが無くても上から目線な感じになってしまったら、それだけでマイナスイメージがつきかねません。
上司と言う目上の人間が、へりくだってお礼を述べてくださっている場合は、やはり正しい言葉の使い方で返答したいものです。
なにか仕事を仰せつかって、せっかく順調にこなしても、お礼に対する返事が適したものでなければ、上司の気分は良くないかもしれません。また逆に、もしそのお手伝いが途中までしか出来なかったり不完全だったとしても、お礼に対する返答が適切であれば、きっと上司の方にも心からの感謝を感じていただけるでしょう。