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仕事のミス、報告すべきか否か、それが問題です

どんな優秀な人でも仕事でミスをします。それは重要なメールの中の誤字だったり、顧客対応の大失敗だったりします。しかし本当のジレンマはミスそのものではなく、ミスを犯した後に襲ってきます。

上司に報告すべきかすべきでないかです。

自分だけで問題を処理したい、でも上司の力を借りなければ問題を解決できそうにない。誰でも自分自身で解決できたらと思うものです。

それは悪いことではありませんが、しかし自分でできることには限度があります。

会社の文化が仕事のミスの報告に影響を与えることも

上司がどのようにミスを訂正するかは、ミスをしたときに従業員がどれくらい不安を感じるかに影響を与えます。組織の文化が、上司がミスをどう扱うかに影響を与えることがよくあります。たとえば、学習の文化は従業員のミスにオープンで、成長の一部とみなしますが、指揮統制の文化は失敗を許容しない傾向があります。

上司がミスをいかに効果的に修正するかは、従業員がどう反応するかに影響を与えます。服従型では上司は従業員が間違いを犯したことを認めることを求めます。従業員は失敗から学ぶよりも、恐怖が先に立ちます。時には必要な報告をためらわせることもあります。

能力開発型では、上司は、従業員が理由を理解できるようにすることに関心があり、従業員の能力を向上させるための知識とスキルを備え、恐怖を感じさせることなく、更なるミスのリスクを減らします。

報告は大事、そしてミスを犯す自由を与えるのが仕事のできる人間を作るコツ

上司にとって最も恐ろしいことの1つは、部下にミスを犯す自由を与えることです。ミスは従業員の学習と成長を可能にしますが、どんな会社にとっても大きなコストを払うことになる場合があります。本当に優秀な上司は、会社を危機にさらすことなしに、従業員がこうしたリスクを犯すことを可能にする方法を見つけ出します。それが従業員の成長を助けるために重要です。もちろん従業員の報告が欠かせない要素であることは言うまでもありません。

1つの方法は、仕事の中で、ミスが起きてもあまり大きな損害を与えない領域を特定することです。顧客に迷惑をかけ、顧客からの会社に対する信頼を損なうようなところでは、役職にある者が関わり、きちんと監督することなしに大きなリスクを取らないように慎重に注意を払う必要があります。そうでない分野で、従業員に安心して物事の新しいやり方、よりよいやり方を実験する自由を与えるのです。

正しいと感じたことを試す中で犯す正直なミスなら、どんなミスも一度はOKです。しかし、同じミスを2回繰り返すことは許されません。厳しく、確固としたルールでは、初めてミスを犯したときは、チーム全体が応援して、そのミスを修正します。しかし、2度目にミスを繰り返せば、100%自分でその結果に責任を負わなければなりません。このルールは、全ての最初のミスに適用されます。

報告しなくてもよい仕事上のミスは自分で処理しましょう

招待状に間違った日付を送信したか、顧客に電子メールで間違った添付ファイルを送信してしまった。こんな時は上司にわざわざ報告するまでもありません。こうしたミスは簡単に修正できます。メールを出し直して顧客に謝罪し、正しい日付を通知し、正しいファイルを添付すれば、それで問題は解決です。

上司はそれを知らないかもしれませんが、冷静沈着に簡単に修正可能なミスを処理したことで、上司の生産性に深刻な打撃を与えることが避けられました。自分で処理することで、非常に忙しい人の時間を無駄にせずに済みました。電子メールでやりとりし、さらに会って話をしていたら、それだけで20分はかかっていたでしょう。

会社の重要なデータを誤って削除したときも、パニックになる前に、深呼吸をして、グーグルドキュメントが改訂履歴を表示し、古いバージョンのドキュメントを復元するオプションを提供していることを思い出してください。すぐに文書のバックアップから元に戻します。信じられないかもしれませんが、このようなミスを自分で修正すると、自信を少し高めることにつながります。 こうしたことを処理するのは1つ経験を積むことになります。次にもう少し複雑な問題が発生したら、前回はうまく切り抜けたのだから、今回もできると思うのです。

同僚との間にちょっとした誤解があった場合、その同僚とはお互いにかなり不満を感じます。誰かに仲介して欲しいという誘惑に駆られますが、一呼吸置いて状況を判断してください。それが本当に単なる行き違いの問題なら、自分で処理することができます。同僚と冷静に直接話をして、上司を関与させることなく、あなたの優れた対人スキルを使って対立を解消して下さい。

自分で対処できることと上司に報告を入れるべきことの見極めが重要です

顧客と電話をしていて、うっかりした一言で相手を起こらせてしまいました。恥ずかしさでいっぱいの中、最もやりたくないことかもしれませんが、会社としてのイメージがかかっている状況では、上司に絶対に報告しなければなりません。結局のところ上司はより多くの業界経験を積んでおり、おそらく1度や2度は腹を立てた顧客に対処した経験があるはずです。

上司にこのような状況を持ち込むのは恐ろしいですが、そうすることによって自分の成長度と会社の方針に対する知識を証明することになります。どんな時には上に報告を上げなければならないのか、それが分かってることだけは理解してもらえます。

納期が迫っている仕事を言いつけられ、それを完全に忘れたとき。仕事に追われているときに上司から仕事を言いつけられ、メモを取らなかったためにすっかり忘れてしまい、気がついたときはもう納期に間に合わないという場合、仕事を言いつけた上司に、何が起こったのかを伝えないわけにはいきません。上司は仕事が終わっていないことに不満でも、それを報告したことだけは評価してくれるかもしれません。それは正しいことです。ただし解決策も必ず持って行くことが重要です。

同僚と意見が合わず、確執が深まっていく場合。ちょっとした誤解ではなく、いつも意見が衝突し、冷静に話し合っても進歩はなく、チーム全体の生産性まで落とすような状況になった場合は、上司に報告して仲介してもらう時期です。問題が簡単に修正できる時期を過ぎ、より大きな課題になったことを見極めることは、職場で持つべき重要なスキルです。そこに至れば、上司は自分に問題が持ち込まれたことを喜ぶでしょう。自分で対処できるときには自分でやる、そして自分に手に負えない思ったらためらわずに上司に報告する、そのバランス感覚が重要です。

ミスを犯したときにこそ真価が試されます

優れた上司は、部下が間違いを犯す自由を許します。 しかし、よい従業員は、ミスを犯したときにそこから学び、それを自分のものにし、問題を解決します。同じ過ちが繰り返されないようにするための手段を講じます。

よい従業員は、正直なミスを犯したことを認識します。言い訳をするのではなく、客観的にミスを見て、何を間違えたのかを認識し、なぜ自分の選択や行動が間違っていたのかを理解します。

よい従業員は、ミスの責任を負います。 ミスの言い訳をしません。むしろミスを犯したと認識し、その間違いからどんな教訓を学んだかを公に表現します。

よい従業員は、ミスを挽回するために必要なことをします。問題を解決するためにできることは何でもしようとします。弁済不能な損害が出ることもありますが、修復のために最大限の努力をします。いつまでに問題を修正するのか期限を区切り、そのプロセス全体を通じて進展を確実に報告し、緊急性を感じながら問題解決に当たっていることを感じさせます。

同じ過ちが繰り返されないようにするための安全対策を講じます。これは学習プロセスにおいて最も重要なステップです。ミスが明らかになった場合、誰にでもできる最も重要なことは、同じ過ちが決して繰り返されないように、どんな安全対策を確立すればいいのか考えることです。

この手順を文書化し、学んだ教訓と安全対策を全員で共有できるようにします。そのミスから学んだことを、他の人がもう一度自分でミスを犯して学ぶ必要がないようにするのです。

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