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上司の叱責は期待の現れ?単なるストレス発散?それとも…

職場で上司に叱責されることが好き、という人は、存在したとしても稀有な存在であり、ほとんどの人が、出来る限り避けたいと思うことでしょう。

何故、上司は部下を叱責するのでしょうか?

それは期待の現れだ、という人もいれば、単なるストレス発散の的にされているだけとしか感じられなかったり、様々なケースが考えられます。

もし、上司に叱責された時は、どう受け止めればいいのでしょうか?

仕事のミスを上司に叱責された… 叱責が期待の現れって本当?

部下がミスをした時、叱責するか、それとも優しく諭すかは、その上司の性格によって異なります。

ただ、叱責する上司、そして周囲からは「君に期待しているからこその怒りなんだ」と、言う言葉が聞こえてきます。

しかし、叱られ慣れていない人からすると、「何もそんなに怒らなくてもいいじゃないか」という不満を持つ人は少なくありません。

むしろ、叱られることによって萎縮してしまう、仕事に対するやる気が失われてしまう、職場に行くのが嫌になる・怖くなるという人もいますから、さじ加減が難しいこととも言えます。

ですから、叱らない上司、常に優しい人のほうが、慕われやすい傾向があるのですが、実際問題として、部下に対して”過渡の甘やかし”をする人の下についた部下よりも、厳しい上司に叱責されながらも育てられた人のほうが、実力的には上になるケースの方が多いことは、決して無視できません。

もし、あなたがミスをして上司に叱責された時、どう受け止めるかが問題なのだと言っても過言ではありません。

上司が部下を叱責するのは、事実、期待・評価をしているからこそ

上司が部下を叱責することのリスクを、上司に当たる人も、決して知らないわけではありません。

何故なら、誰もが子供時代を持っているのと同じように、上司自身もまた、社会人として誰かの部下だった時代があるからです。

そうしたリスク――仕事に対する情熱を失いかねない叱責を、何故上司がするのか。

それこそ、大半の上司が、部下に対して期待を持っているからに他なりません。

上司にとって、部下は単なる駒ではありません。

部下は上司に仕事ぶりを評価されるように、上司は、仕事の手腕の他に、如何に部下を一人前にするかという点を、会社(自身よりも上の立場の人間に)評価される立場です。

ただ闇雲に叱って、片っ端から部下を駄目にしていくような人間は、早々に上司としては無能だと、会社から評価されます。

その危険を冒してでも、部下を一人前に育てたい、そう考えているからこそ、部下を怒るのです。

もし逆に、全く期待されていない、戦力外として考えられている場合には、そんなリスクは犯しません。

むしろ当たり障りのない(人に迷惑をかけない)適当な仕事を振って放置する――言うなれば”窓際族”にするほうが、上司にとっては楽ですし、リスクも最小限で済む話です。

上司に怒られているうちが花、というのにはこうした訳があるのです。

上司に叱責された時は、何が期待を裏切ったのかを自省しよう

「部下を叱って伸ばそうとするのは、古い時代の考え方だ」と考える人もいますが、それは少し違います。

上司が部下を叱るのは、”難題をこなせなかったから”ではありません。

”この部下にならば、安心して任せられると判断した仕事をこなさなかったから”に他なりません。

上司は自分の会社からの評価をリスクを負いながら、果たして、力不足の部下に仕事を任せるでしょうか?

自分の立場、そして自分に連なる部下の、言ってしまえば生活が掛かっている案件を、信頼できない部下に任せることは決してありません。

あなたが叱られた原因を、まずじっくり考えてみて下さい。

やってくれると信じていたのに裏切られた、そしてその裏切り方が許せないものだったからこそ、上司は叱責しているのではないでしょうか?

例えば、頼まれていた仕事を忘れてしまった、スケジュールにどうしても余裕がないのにそれが分かった時点で報告しなかった、客先に対して失礼なことをした、など、色々な場面が考えられますが、いわゆる”愛情のある叱責”は、こうした時に起こるものです。

ミスに対して、優しくフォローしてくれる上司のほうが、優しいように感じますが、優しいだけでは人は決して育ちません。

上司の叱責を受けた後は、決して萎縮してはならない

上司に叱責を受けた後というのは、何とも顔を合わせ辛いものですが、上司自身もまた、内心は「言い過ぎたのではないか」と気にしていることが多いのだとか。

ですから、翌日(または次に顔を合わせる時に)必要以上に萎縮する必要はありません。

一番最初に顔を合わせたら、普段と同様に挨拶をし、その上で、反省したことを伝えたいのであれば時間を取ってもらったり、迷惑をかけたことに対する謝罪・感謝をするなどして、気持ちを切り替えるほうがいいでしょう。

落ち込んだり、怖く思ったりするかもしれませんが、そんなときこそ「怒られるうちが花」、「今度は期待を裏切らないように頑張ろう」と、無理にでも自分の気持ちを前向きにしましょう。

事実、あなたを叱責するのが自分の上司である時のほうが、救いは多いものです。

あなたがこの先出世して、上司の立場になった時、同じミスを犯して、顧客や会社の経営陣といった更に上の立場から叱責された時のほうが、負うダメージは桁違いに違います。

そして、もう一点、あなたのミスは、上司にとってのミスにも繋がっています。

むしろ、対外的な評価の下落は、上司に降り掛かっているのです。

そのことも是非、心の片隅に置いて、忘れないようにしてください。

上司の期待に応えられるよう、同じミスを犯さない社員になろう

勿論、中には、自分が当時されたことの八つ当たりをして、ストレス発散しているという、困った性格の上司がいることもありますが、どちらかと言うとこれは少数派です。

しかも昨今は、パワハラ(パワーハラスメント)が問題視されている時代ですから、むしろ八つ当たりで部下を叱責する上司に対しての風当たりのほうが強いため、もし、上司の叱責が的外れなものや、人格を否定するような不適切な言葉なのであれば、更に上の立場の人に相談をして、改善策を求める必要があるでしょう。

しかし、そうでないならば、一度叱られたからと萎縮せず、自分の仕事の進め方の何がいけなかったのかを自省すべきです。

どうしても原因が分からなかったならば、上司に教えてもらえるよう”相談”すべきであり、自分自身で解決策が見つかったなら、今度はそれを上司に”報告”してみましょう。

そして、二度と同じミスを犯さない――上司に叱責されないように、ではなく、上司の期待に応えられるよう、仕事に打ち込んでいくのが、正しい社会人の姿だと言えるのです。

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