職場でプライベートな話はどこまで話すべき?話したくない時は…
職場の雑談で、一番困るのが、”プライベートな話はどこまでしていいのか”というラインではないでしょうか?
充実していることを話せばやっかみを受け、だからと言って全く話さなければノリが悪い人間だと言われ…と、非常に微妙で繊細な気遣いが必要な場面です。
このような会話の流れになった時、あなたは何処まで話せば、場の空気を悪くせず、かつ自分の立場にも影響を与えずに済むのでしょうか?
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職場でプライベートな話は、どこまで話せば納得してもらえるのか
職場での雑談が苦手だ、という人の多くは、プライベートな話をどこまでしていいのかが分からないことが原因になっていることが否めません。
しかし、「自分は口下手だから、最初から話さなければいいか」、「何故職場の人にプライベートなことを話さなければならないのか」と思っていても、しつこく聞いてくる人に辟易させられたり、ついつい調子に乗って、話さなくていいことまで話してしまって失敗した!と後悔する人もいます。
そもそも職場はプライベートとは切り離された場であるべきです。
しかし、多くの人がそうは思っていないのも事実です。
何故なら人間は、”自分の近くにいる人がどんな人となりかを知らないと不安になる”という性質を持っているからです。
これは、人間というよりも、”ヒト”が持っている本能に近い部分から来る心理的な欲求です。
自分と近い考え方をする人同士が友達になり、人数が増えて仲間という単位になり、最終的にコミュニティが出来ますが、この中に異分子――考え方があまりにも違いすぎる人が入ると、途端にバランスが崩れることは、説明するまでもありません。
つまり、自分の心地よいと思う空間を守るために、相手の性格を把握したい――だから、プライベートな話を聞き、相手を判断したいと考えてしまうものなのです。
プライベートな話は、何処までなら職場の人に嫉妬されずに済む?
同時に、人間は他にも困った性質を持っています。
それが他人に嫉妬心を持ちやすい、という性質です。
人の不幸は蜜の味、なんて言葉が昔からありますが、自分の置かれている現状に納得がいかない人ほど、他人の幸せを妬んでしまうという性質を、ほぼ全ての人が持っています。
ですから、相手の人となりを知るために、プライベートな話を聞きたがるのに、それが自分が思った以上に良い状態だと、途端に嫉妬の対象になる、なんていうケースが少なくないのですね。
勿論、そうしたばかりの人ではありませんが、下手に嫉妬心を煽らず、なおかつ、相手に仲間として認められる程度のプレイベート情報を話す、というのは本当に難しいことです。
特に、仕事とプライベートは分けておきたい人、口下手で自分のことを話すのが苦手な人、独特な空気に馴染めない人にとっては、こうした時間は非常に苦痛なものになりがちです。
そんな、職場でのプライベートな話を聞かれた時のとっておきの対策として有効なのが”そこそこ不幸自慢”と”お茶を濁す”です。
どこまで・どう話せば職場のプライベートな話で困らないか
例えば飲み会などの席で、同僚の中で真っ先に登るプライベートな話題なのが”恋人(パートナー)の有無やその仲”、あるいは”意中の人がいるか否か”といった恋愛に関わる話でしょう。
そんな時、恋人がいる場合には「いるにはいるんだけどね」と、少し含みを持たせた答えを、いない時や片思い相手がいる時、はたまたはっきり答えたくない時には「なかなかうまくいかなくて」と濁すのが、上手な躱し方だと言えます。
こう答えておけば、相手は明確な答えは得られずとも、『恋人はいる”けれど”何かしらの問題が発生していて、幸せとは言えない』か『少なくとも恋愛面では苦労している』と判断し、嫉妬の対象からは外れることが出来ます。
相手は四六時中あなたを監視しているわけではないのですから、本当は充実していても、相手はそれを確かめる方法はありません。
それに普通の感覚を持った人ならば、濁した答えを聞いた時点で「これ以上は聞かないで欲しいんだな」と、こちらの空気を読んで仔細を聞かずに終わることが多いでしょう。
もし、野次馬根性で根掘り葉掘り聞いてくるような人だった時には、「まあまあ…」と更にはぐらかしたり、「○○さんはどうですか?」と相手の話にすげ替えてしまいましょう。
自分からプライベートな話を振る時に気をつけたい3つのポイント
逆に自分が相手にプライベートな話題を振る時には、どの程度まで踏み込んでいいのかも気になるところですね。
まず第一に言えるのは、”相手のちょっとした仕草を見逃さない”、という点です。
例えば、先に出た話題のように「○○さんは恋人がいるんですか?」と聞いた時、相手の表情や態度に変化が出るかどうかを見極めなければなりません。
もし、明らかに不自然な態度に変わったり、お茶を濁すような素振りがあった時には、すぐに話題を変えましょう。
第二のポイントとしては、”TPOに見合った質問をする”、という点です。
わかりやすく例えると、もしそこが飲み会の席だったとしても、離婚した人がいる前で、他の人に恋愛話を持ちかけるべきでない、という意味です。
それこそ、「空気読もうよ!」と言われかねません。
第三のポイントは、”相手が絶対に答えなければならない聞き方はしない”ことです。
相手のプライベートな話をどうしても聞き出したいからと、周囲を巻き込んでその人だけが答えられないような空気を作ったり、はぐらかされているのにしつこく食い下がる人は、その人からだけでなく、周囲からも大変迷惑な人だと思われかねません。
この3つのポイントに気を配れないなら、自分からプライベートな話題を聞くことは避けたほうがいいかもしれません。
プライベートな話題で自分が不利にならないように振る舞おう
職場は一日の大半を過ごす場所であり、またそれが長期間――ともすれば定年まで過ごす場所になるのですから、少しでも自分の心地よい環境にしたい、と考えてしまう事自体は、先に触れた通り、ヒトとしての欲求から考えても当然のことです。
ただ、その性質を振りかざし、他人のことを何でも知りたがろうとする人に、一から十まで付き合う必要は全くありません。
どうしても聞かれることが不快ならば、「すみません、その話題はちょっと」と断ってしまってもいいのです。
勿論、断る時には怒りに任せることなく、さらりと躱すだけの余裕は持ちましょう。
また逆に、自分が相手のことをどうしても知りたいからと、しつこく聞き出そうとすることだけは絶対にしてはいけません。
自分が聞かれても大丈夫な話題であっても、全ての人が同じラインだとは限らないからです。
今の御時世、相手が自分よりも下の立場になればパワハラだと言われかねませんし、何よりそこは職場ですから、プライベートな話はあくまでその人に付随する要素でしかありません。
コミュニケーションの取り方、そして空気を読む力などは、人によってそれぞれです。
さじ加減が難しい問題ではありますが、自分の不利にならないよう、上手に躱す・上手に聞き出すことを心がけましょう。