【理解して欲しい!】統合失調症の人は職場で怖い思いをしています
統合失調症は病気です。怠けや甘えではなく、心因性の精神疾患です。
以前は分裂病と呼ばれていましたが、現在はより研究が進み、専門医を必要とするれっきとした病気で定着しています。
妄想や幻覚を伴う疾患ですので、もちろん日常生活に支障をきたします。
患者さんは職場で怖い思いをするなど、相当な苦労を強いられています。しかし、周囲の理解は十分ではないのです。
このページの目次
職場で怖い思いをする統合失調症の患者
そもそも統合失調症とは、脳の病気です。瞬間的に昔の記憶が蘇ったりすることで一時的にコミュニケーション障害を引き起こしたり、思考が停止してしまったり、妄想や幻覚が現れ、それにとらわれてしまう精神疾患です。このような状態に陥った人が、職場で輝けるはずはありません。会社は組織です。組織には上下関係があります。下の人は上の人の言うことを聞かなければなりませんし、顔色を伺ったり、気を使ったりする必要もあります。
統合失調症の人は、職場で怖い思いをします。過去に上の人から怒られた記憶が瞬間的に蘇り、今日を覚え、思考が停止してしまうのです。自分以外の人が上司に怒られている様子を見るだけどもこのような発作を起こしてしまうことがあります。これらは一時的なものですが、積み重なることでより精神的負担が大きくなります。
統合失調症の人が怖い思いをするのは、職場のせい
統合失調症の人が怖い思いをするのは、職場のせいです。そもそも統合失調症に関する理解がないのが問題です。現在の上司は、おそらく金の卵と言われた世代で、若い頃から寝る間も休日も自由時間も惜しんで必死に働いた年代です。従って、少しのストレスで弱音を吐く人のことが嫌いで、弱く、ストレス耐性がないと軽蔑します。
しかし、統合失調症は病気です。診断書のつく、病気なのです。西洋医学ないし東洋医学できちんと治癒されるべき病気です。統合失調症は病気である、という考え方を職場に浸透させる必要があります。
統合失調症の人は、怖い思いをしますが、彼らに罪はありません。彼らの性格は完璧主義的で、まじめで、繊細で、他人に気を使いすぎてしまうことがあります。根本的には優しい人が統合失調症になってしまっているのです。周囲の理解は不可欠です。
怖い、と言えない統合失調症の患者
統合失調症の患者は、職場で怖いと言えません。その理由の一つは、圧力です。上司からの圧力は彼らにとって大敵なのです。忘れないでください。彼らは幻覚や妄想を伴った精神疾患を患っています。病気からくるものではない、普段の生活の中での恐怖体験も、怖い、と言って共感してくれないのです。この孤独は、彼らにさらなる恐怖をもたらします。
彼らには共感してくれる人が必要なのです。カウンセラーや医者などの専門家ではなく、普段の何気ない会話を楽しめ、苦楽を共にする仲間が必要なのです。怖い、という思いを共有し、共感し合えることで、統合失調症を克服できる可能性もあります。
まずは、統合失調症を治癒させようとするのではなく、彼らの抱えている感情、特に恐怖心を分かち合い、共感し、日常生活を共に過ごす仲間として職場で受け入れてください。
病気の人は助けを求めています!
統合失調症の人は、現代社会でとても生きずらい思いをしています。かれらの病気はあまり理解されていないからです。彼らはいつ発作が起きるか、自分でもわかっていないのです。それが家かもしれないし、職場かもしれないし、学校かもしれないし、電車の中かもしれないのです。それぞれの場合で対応を考えてみてください。
家では、寝たり食べたりすれば良いですし、学校では先生や保健室での対応で十分です。しかし、電車の中だったらどうでしょうか。彼らは障害者ではないので、優先席を利用して休むこともできませんし、発作が起こったから電車を降りたい、ということもできません。飛行機も同様です。他の大勢の客を乗せた飛行機を1人の都合で下ろすことは不可能です。しかし、彼らは相当に苦しんでいます。死ぬかもしれない、という恐怖と戦っています。
統合失調症の人と共生していくこと
全ての統合失調症の患者は社会に不適合だと自覚しています。これは間違いではなく、真実です。しかし、私たちは統合失調症の患者と共生していく必要があります。
では、どのようにすれば良いのでしょうか。まず、公共の場で自分が統合失調症であることを示せるマークが必要でしょう。マタニティマークのように、周りに自分のことを知ってもらえる工夫が必要です。さらに、統合失調症は障害ではない、という意識の浸透も必要です。障害者、と言って一線を画すのではなく、ちょっとコミュニケーションが苦手な人、という位置づけで、社会と共生させていく必要があります。
しかし、何より大切なのは私たち一人一人の心配りです。統合失調症の人が苦しんでいることを理解し、必要な援助を提供してあげることが一番の彼らの支えになるにです。私たちの意識から変えていきましょう。