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有給の理由は正直に書くべき? 私用で休暇を取る時のポイント

2017.7.3

有給申請をする時は、誰でも少なからず緊張するものです。

有給休暇は労働者の権利とは言え、特にその理由が私用であった時には、何となく罪悪感を感じたり、そもそも提出時に上司などから嫌味を言われたりで、何となく「やらないほうがいいもの」というイメージを持っている人も少なくありません。

この有給申請を行う時、理由は正直に書くべきなのでしょうか。

そして私用で休暇を申請することは、本当に良くないことなのでしょうか?


そもそも有給申請の理由が私用でも、罪悪感は感じなくていい!

まず初めに、多くの人が”分かっているけれど罪悪感を感じてしまっている”、”勘違い・思い違いをしている”ことについて、明言しておきましょう。
 

有給休暇(年休)を取ることは、労働者の権利です。

そして、本来であればその有給休暇は自由に、いつでも取得できるものであり、休暇の理由を会社に提示する必要もありません。
 

他にも

  • 申請理由によって有給の申請を却下することはしてはいけない
  • 有給を取得したことを理由に、不利益(例えば上司からの評価が低くなるなど)な扱いをしてはいけない
  • 使われずに余った有給を買い取ることは本来(※)は違法

など、これらは全て労働基準法により定められています。
 

ですから、有給を申請する時、その理由が例え全くの私用であっても、何ら気にする必要はありません。

堂々と申請し、堂々と休んでしまっていいのです。
 

※退職時に使い切れなかった分を買い取ることや、法定規則以上与えていた有給分等に限って買い取ることは違法ではありません

有給の取得理由を私用で申請しても受理されないのは違法?

勿論、前述の「いつでも」「不利益な扱いをしてはならない」等には、一定のルールがあります。
 

例えば、前々から旅行に行くことを決めていたけれど、申請を忘れていたからと、当日の朝になって「今日から3日間私用で有給を取ります」と伝えるようなことは論外ですし、重要な会議や打ち合わせがあることが分かっていながら、その日に合わせて有給を取り続け、結果(仕事に実害が出ているために)評価が低くなったような時には、労働者の方に過失があると言われる可能性があります。
 

こうしたことを防ぐため、多くの企業では就業規則の中に、有給の取得について、急病などを除いた有給申請は、○日前までに申請を行うこと、といった記述がされています。
 

問題なのは、労基法はもとより、就業規則のような社内ルールを守った上で有給申請を行ったのに、私用での有給は受理されないという状況です。

義務を果たしているのに権利が与えられない時には、当然、会社側に問題があり、違法だと言えるでしょう。

繁盛期に私用で有給を申請して拒否された!違法でない理由は?

ただ、有給が社員の権利だと言っても、会社側には「その時に休まれると困る!」という時期(例えば外食業にとってのクリスマス期など)もあるでしょう。

そんな時には”時季変更権”というものを会社側が使ってくることがあります。
 

この時季変更権とは、やはり労基法で決められているものであり、「その日は認められないが、時期をずらした日であれば有給を取ってほしい」と、有給の申請を却下し、別の日に取らせることができる、”会社側の権利”です。
 

勿論、本当に緊急を要する私用――社員本人や、その家族・身内の急病や事故といった、本当に予測できない出来事が起きた時にまで、時季変更権を使う企業はないでしょう。

むしろ、そうしたことにさえ時季変更権で拒否をしたり、「そもそも有給を取ることを許さない」という会社は完全に違法と言えますから、その時は別の手段(労働基準監督署などへの訴え)を取る必要があります。
 

しかし社員側も、仕事のスケジュールや会社の動向に合わせて、休みは取りやすい時期に取るのがマナーと言えます。

有給申請書に「私用のため」と書いて出すのはいけないことか?

会社に提出する有給取得申請書の書類には、大抵の場合、『取得理由』といった、何故有給を申請するのかを記入する欄が設けられています。

ここに「私用のため」と書いて提出すると、時に「いや、その私用って何?」と聞き返される――という事例が多々存在します。
 

勿論、先に触れた通り、有給の取得理由を会社に提示する義務は本来ありませんから、聞かれても「いえ、私用です」で押し通しても本当は何も問題はありません。
 

ただ、会社側としては、休暇であっても社員の動向をある程度は把握しておきたい、という意図があることは理解しましょう。
 

例えば数日間の有給を取得した社員が、海外旅行に行っていた。

しかし、その旅行で突発的に何かが起きて、休暇後いつまで経っても出社しない…というケースが起きないとも限らないからです。
 

これは極端な例ですし、ちょっと休みたいな、という時にまで事細かに理由を書きたくない気持ちもあるでしょう。

ですがせめて、旅行などのような緊急連絡の時に連絡が取れない可能性がある私用に関しては、正直な理由を書いておいたほうがいいでしょう。

有給は労働者の権利!義務を果たしているならば堂々と取得しよう

有給は労働者の権利ということは、社会人ならば誰でも知っていることでしょう。

しかし、義務をしっかり果たしているにも関わらず、私用で有給を取りづらい職場というものは、やはり未だに存在します。
 

そのような職場は、往々にして上司や先輩が休まないことを理由にされたり、有給が取りづらいような話の流れにされたり、「休むのは悪いこと」「休んだら評価に響くよ」という無言(時に言葉でも)圧力をかけられていることが少なくありません。

これは許してはいけないことですし、それを当たり前にしてしまう社員側にも、問題があると言わざるを得ません。

そんなときは、労働基準監督署や、もし社内に労働組合があるならばそちらに相談を持ちかけるなどして、職場の環境改善を訴えていく方法がとれます。
 

有給を取ることに、罪悪感も高尚な理由も必要ありません。

むしろ適度に休暇を取り、心身をリフレッシュしてまた仕事に励む――それが本来の有給の正しい使い方です。

是非、臆することなく、有給の申請は堂々と行いましょう。

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