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退職願の理由が一身上の都合では不可なのはなぜか

あなたは、会社を退職したことはありませんか。

会社を退職した経験がある方は、「退職願」という文章を一度は書いたことがあると思います。

この退職願いには、退職する理由について書かなければならない決まりとなっています。

会社を辞めるための理由なんて、人それぞれいろいろな理由があると思います。

自己都合の退職の時に使う便利な言葉があります。

それが『一身上の都合により』です。

しかし、一部の会社ではこの文言によっての退職願いが「不可」となるところがあるようです。


退職願の理由が一身上の都合では不可だと言われた

結論から言うと、退職願の書き方やその内容については、それぞれの会社の就業規則によって定められているところが多くあり、退職希望者はその方法にのっとって退職願いを書かなければなりません。

一般的に自己都合といわれる退職理由の場合に用いられるのは「一身上の都合」です。

しかし、それを「不可」としている会社もあるようです。

なぜかというと、退職理由に具体性にかけるからだという理由なのだそうです。

会社として、なぜその人が辞めたのか、これ以上退社する社員がでないようにする為の、リサーチなのかもしれません。

自己都合で辞める場合は、人によって様々な理由があると思います。

会社が嫌なわけではないが、結婚や家族の事情により辞めざるを得なくなってしまった場合であれば、問題はないのですが、会社に何らかの不満があり、それが原因で辞める場合は、会社としても理由を知りたいのです。

退職願に一身上の都合が不可である場合の作成方法

では、退職願の退職理由をどのようにして記載すればよいのでしょうか。

一番簡単な方法としては、素直に自分の辞めたい理由を記載することです。

退職理由が、『家庭の事情』や『結婚』、『親の介護』などによるものであれば、そのまま記載しても、何の問題もないのと思うので悩む必要はないはずです。

問題なのは会社の仕事が嫌になって辞める、上司が嫌で辞める場合の退職理由ですね。

例えば、サービス残業が多くてとても大変でもう仕事することが辛いので辞めます、上司の○○さんが厳しすぎるので辞めたい、なんて書いたら、会社に角が立ちます。

ですので、たとえ、「一身上の都合」を使わず、退職理由をしっかり詳しく書いてほしいといわれても、馬鹿正直に書くことはできないでしょうし、今後のことも考えてしない方が賢明です。

もう二度と会わないと思っていても、世間は狭いです。

どこで、どんな形で再会するのかはわかりません。

退職願の理由が一身上の都合は不可でも正直に書かない

「一身上の都合」という理由を使うことなく、理由を書くためのいくつかの例文を紹介します。

  • 健康上の理由により退職させていただきます。
  • 親を介護する必要があるため退職させていただきます。

このように嘘でも前向きな理由を書きます。

これ以上の具体的な理由は、円満退社する上では書くべきではありません。

例えば以下のような文章です。

  • 上司との人間関係に問題があり、退職させていただきます。
  • 職場内のいじめに耐えることができず、退職いたします。

このような文章を書いても、会社側はまた違った意味ですんなり受け付けてはくれないでしょう。

多くの方は会社に何かしらの不満があるので辞めるため、どうしてもネガティブな内容になってしまいます。

しかしこのような文章を書くことは、辞めるまでの間、会社により居づらくなる環境を自らが作りだしてしまいます。

最後まで円満に会社での仕事を続けるためにも、本音は書かず、前向きな理由がいいというのはそのためです。

退社理由が自己都合でない場合は一身上の都合を使うのは絶対にダメ

なぜ自己都合ではない場合は、「一身上の都合により退職させていただきます」という文章を使ってはいけないのでしょうか。

それは仕事を辞めた後の、雇用保険の手続きに関係してきます。

みなさんは雇用保険を毎月払っています。払っていないという方も、知らないだけで、会社で給与から差し引いて国に納めているのです。

雇用保険とは、仕事を辞めた方が次の仕事(就職先)が見つかるまで、金銭面でのサポートとしてくれる社会的な保険です。

「自己都合といって辞める場合」と「会社側の問題によって辞める場合」では、失業手当の支給のタイミングが変わってきます。

自己都合による退職の場合は、待機期間が3カ月あり、その間に失業手当の支払いはされることはありません。

それに比べて、会社都合による退職の場合は手続き後、すぐに支給が始まりますので、これはかなり大きな差だと思います。

退職願の理由に一身上の都合を使うこと不可ではない

今までのお話をさせていただきましたが、社会的に退職願の理由に「一身上の都合による退職」をうたうことは問題ではありません。

しかし、会社の就業規則内で決まりが決まっていた場合や上司に詳しく書くようにと言われた場合は、言われたとおりにしなければなりません。

「一身上の都合」という便利な言葉を使わずに理由を書く際は、社会人として、会社の悪口や本当の理由(マイナスなもの)は控えるべきです。

『なんで辞める会社にそんなに気を使わなければならないのか』と思う方もいると思いますが、これは会社だけでなくあなたの為でもあります。

辞めるまでの間も、あなたはしばらくはその場所で仕事をするわけです。

また仕事を辞めてからも、もしかしたらどこかのタイミングでまた関わることになるかもしれません。

今の会社を辞める時も、やるべく波を立てずに、円満に退職することが今後のあなたにとってもとても大切なことなのです。

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