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会社の部下を好きになった!この恋心、叶えるべきか、それとも…

あなたの部下に、好みの異性が部下として配属され、その人を好きになってしまったら――

そんな時、あなたはどうしますか?

もし、あなたが既婚者であるならば、それはとても危ない橋を渡る行為になりますし、たとえ独身者だったとしても、身の振り方や付き合い方に、十分注意が必要になってきます。

理性で恋心をつなぎとめるか、それとも感情のまま行動するか、真剣に考えなければなりません。

会社の部下を好きになること それ自体は珍しいことではない!?

そもそも人間は、長時間顔を合わせている他人に対し、余程のことがない限り、好意を持つように出来ている生き物です。

これは、嫌悪感を持つ人間と長時間顔を合わせることでストレスを負うことがないように、いい部分を見つけて好意を持ち、その環境が負担にならないようにするための、一種の心の防御反応です。

ですから、あなたが上司として、長い時間一緒に過ごす部下の女性のことを、いつしか好きになる――そうしたことは、珍しいことではありません。

事実、社内恋愛をしたことがある(あるいは現在進行形でしている)という人は、多くの場合、その相手のと関係が、上司と部下、もしくは先輩と後輩という、会社の中でも一番近しく、かつ教え・教えられというものから始まった、と答えているアンケートもあるほどです。

単なる同僚よりも、こうした上下関係である方が恋愛関係になりやすい、というのも理由があります。

教える方からすれば、教える相手のことを知るうちに、徐々に「守ってあげたい」と思うようになります。

対して教えられる方からすれば、教えてくれる相手のことを「頼りになる存在」だと認識するようになるからです。

会社の部下を好きになったら一番気をつけなければならないのは…

上司と部下の関係から始まる恋愛は決して珍しくはないのですが、そこが会社であること、そしてあなたが好きになった相手が部下であることが、逆に大きな問題になってきます。

そしてこの”大きな問題”は、一つではありません。

中でも一番に取り上げるべきなのが、やはり”セクハラ”の問題でしょう。

好きになった相手(つまりは部下)が近くにいると、どうしても自分の好意をそれとなく伝えたくなったり、食事に誘ったりと、アプローチをしたくなります。

しかし、部下に全くその気がない時には、この上司の姿がどう映るでしょうか?

「仕事の話だと呼び出されて行ってみたら告白された」

「いつも他の部下よりも近くに寄ろうとしてくる」

「好意を持ってくれているらしく良くしてくれるが、逆に他の同僚からの視線が痛い…」

そうした体験談は、枚挙に暇がありません。

上司と部下という立場を離れた場所でアプローチをしようとも、相手も同じ考え方をしてくれるとは限りません。

その結果、純粋な好意だったはずなのに、相手からはセクハラ、もしくはパワハラだと捉えられ――という結果があることを忘れてはいけないのです。

会社の部下を好きになったら 思う以上に関係を隠す必要がある

続いて考えるべき大きな問題は、その場所がやはり会社だ、という点です。

社内恋愛は珍しくないことだとは言え、それを吹聴して回るような人はあまりいません。

これは、仕事をする場に、一番私情の絡む恋愛という要素を含むべきではない、と考える人のほうが圧倒的に多いからです。

それが部署がことなる、地位が同じ立場の二人でも、周囲からの目を避けているのに、常に一緒にいる上司と部下がそうした関係になった場合には、例え自分は会社ではどの同僚にも平等に接していても、周囲は決してそう見てくれません。

特別な関係にある直属の部下を、本当に能力だけで評価してくれるのか。

上司という立場を使って、部下に関係を強要しているのではないか。

逆に、部下が自分のいいように上司を動かしているのではないか。

どんなに自分が公平だと訴えても、誰もが心の中でこう感じてしまうのです。

そして話の内容が仕事の話でも、二人が話しているのを見るだけで邪推され、一緒に外回りにいけば後ろ指を指され、出張などに行こうものなら――と、常に周囲の好奇の目に晒され、揶揄される交際になる可能性が非常に高いのです。

既婚者であればなおさら、会社の部下との関係が首を締めることに…

更に、もしあなたが既婚者だった場合には、更に周囲からの心象は悪くなりますし、かつ、家庭や会社にバレてしまった時、本当に全てを失う可能性があることを、忘れてはいけません。

単なる火遊びでも、本気の恋愛でも、直属の部下との不倫がバレ、家庭も職も失った前例はそれこそ山のようにあります。

幸いそこまで至らずとも、周囲の人間からしてみれば、倫理観のない人間だと思われることは当然ですし、家庭においても信用のならない夫・父親という立場になるでしょう。

相手の部下にしてみても、社内にいる限り、家庭のある人と恋愛をする倫理観のない人、という評判はついて回りますし、このことが公に――裁判沙汰にまで発展してしまえば、不倫をした人間という隠せない過去を引きずらせることになります。

このようなことを考えれば、例え自分は本気で好きになったとしても、決して軽々しく関係に至るべきではありません。

部下を好きになるのは珍しくないけれど、冷静に判断を

もし自分の部下を好きになりそうだ、なってしまった。

そんな時には、出来る限り二人きりになる場面は減らすようにしましょう。

そして冷静に、恋愛感情を取るべきか、それとも自分の気持ちをリセットするかを考えましょう。

どうしても恋愛感情を止められない、そんな時には、相手にセクハラ・パワハラと思われないよう、普通の恋愛のときよりも更に慎重にお互いの距離を縮めていくべきです。

そして、晴れて付き合えることになってからは、更にその情報が周囲に漏れないよう、会社の中では努めてその部下に対して贔屓をしないよう言動に注意しましょう。

むしろそうした自制心とスイッチの切り替えが出来ない性格の人は、社内恋愛に向いていない人だと言えます。

人を好きになる理由もきっかけも人それぞれです。

ただ、その恋愛が果たして、会社におけるお互いの立場を悪くしてでも成し遂げたいものであるのか、時に仕事も家庭も失うことになっても本当に後悔しないか、十分考えてから行動しましょう。

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