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派遣社員なのに仕事が暇!? いったいどうなの? このポジション

2017.6.16

「急募! 即戦力!!」そんなキャッチコピーに惹かれて応募した派遣社員。

なのにいざ勤務が始まると、まったく仕事が無しで「超」と「ド」がつく「超・ド・暇〜〜」!

そんな信じられない体験談、今、実は巷で珍しくないってご存知ですか?

そもそも、派遣社員とは、じっくり育てていこうとする新卒の正社員とは違って、今、超忙しくて、猫の手も借りたくて、だから即戦力となる人材が、今すぐほしい!ってときの、緊急対策的ポジションじゃないの?

経験をバリバリ活かす即戦力のはずが、何故に「猫の手」にさえなれないのか?

その裏事情を、会社側から、派遣社員側から、一緒に検証してみましょう!


派遣社員は「棚からボタモチ」仕事が暇だなんてもったいない

「1部署につき必ず、派遣社員を数名配置しましょう」こんな業務命令が執行されている、奇特な会社はこの際、別として…。

そもそも、派遣社員など不要で正社員だけで仕事を遂行しているのが本来の会社の姿。
だけど、今や会社も、そうは言っていられなくて。
例えば、慢性的な人員不足で、残業が当たり前だったり。
新しいプロジェクトが始まったとき、それに特化した専門スキルが必要だったり。
あるいは、一身上の都合で急に社員が退職して、即戦力になる人員がとにかく必要だったり。

そんなときに、活躍の場を与えられるのが、経験値豊富な派遣社員なんですよね!

下記に会社側からみた、派遣社員のメリットを羅列してみました。

1. 前職で経験しているから、イチから教える必要がない
2. 従来では未知だった、他社のノウハウを習得するきっかけになる
3. 正社員雇用と比較すれば、ずっと安い経費でまかなえる

つまり、派遣社員を必要とした会社にとって、派遣社員は「棚からボタモチ」。
そんな会社側にとっても「おいしい」はずの、派遣社員の仕事が暇だなんて、おかしいと思いませんか?

暇な派遣社員を雇用するくらいなら、派遣社員の募集なんて不要じゃん?
…なあんて、考えてしまいそうになりませんか? その発想、当然ですよ、当然。

仕事が無くても募集する 暇前提の派遣社員も実在している理由とは

ある派遣社員さん・A子さん(29歳)の話です。
前職までWEBデザイナーをしていた彼女は、その道5年のベテランさん。

とある派遣会社のサイトで、「制作会社で顧客のホームページの制作をする方」という人材募集を見つけました。社内では初となるポジションで、「すべてはお任せします」と頼もしいフレーズも。チャレンジ精神旺盛なA子さんにとって、またとないチャンスに思えたそうです。

ところがいよいよ出社初日、意気揚々と出勤したところ…。
与えられたPCに、WEB制作に関するソフトは一切入っていなかったそうです。
「ホームページの制作をするにあたって、必要なものはこれとこれです」
積極的なA子さんは入社その日のうちに上司に提言。「ありがと」の返事を残してあとは放置。さらに、その後数日たっても、上司からが音沙汰なく…。

実は、「ホームページの制作」で入社したA子さんですが、ホームページの依頼案件はそもそもその時点で1件も来ていなかったそうです。

「ゆくゆく依頼がきたときに任せるから」

と上司に言われたそうですが、その「ゆくゆく」っていったいいつよ?
「ゆくゆく」がくるまで、私は何をすればいいの??
「何かすることありますか?」と周囲に聞いても、困った顔をされるだけ。
とうとうA子さんは「ゆくゆく」が来ないまま、活躍の場を一度も持たないまま、最初の契約終了時に退職しました。

彼女の最後の思いは…

「いったい、何だったの? 私の存在」

何故に、必要? 仕事が暇な派遣社員

ここでは、A子さん側の立場から実態を再現してみましょう。

1. 彼女はこの道のプロ。その経験値を買われて採用された
2. 募集があったからには、需要があることと同じであり、その需要に見合うだけの供給をする意気込みはちゃんとあった。実際に、上司へ提案もしている
3. どうしても予定していた仕事がないのであれば、別の仕事を与えてほしかった。
「仕事はないですか?」と周囲に声掛けも行なっている。

仕事にやりがいや熱意を持つ彼女は、一日中何もやることのない8時間が耐えられなかったといいます。考えてもみてください。会社で過ごす、仕事が全く無い、ただただ暇な時間は、想像以上に苦しいもの。時計の故障なんじゃないかと思うほど、時間が長いわけですし、派遣契約を結んでいるわけですから、仕事がないからといって、好き勝手に帰ったり出かけたりしていいわけでもないのです。

しかも、ここが重要! 彼女の場合、ずっと在職していて、たまたま閑散期が訪れたわけではないのです。
「仕事があるから」という触れ込みで、即戦力として派遣社員として雇用されたわけです。
そして何の仕事も与えられずにこの結果。

最悪、会社側の事情でどうしてもホームページの作成という仕事がないのであれば、「予定していた仕事ではないけれど、別のこちらの仕事をお願いします」でも、良かったわけです。

A子さんは、それでも断らずにどんな仕事でも受ける意欲がありました。
それさえもなく、会社が行なったのは放置、放置、放置。
…どう考えても理不尽そのものですよね。

派遣社員はいざというときの秘密兵器 そう考える会社もある

では、会社側から見た、A子さんへの対応を、想像も含めて検証してみましょう。

会社では、顧客の中で「ホームページを作成したい」という声を多く耳にするようになった。うちでも、ホームページの制作ができる体制を整えなければ。でも社内には素人ばかり。今、在職している社員たちをじっくりと育てるより、即戦力となってくれそうな、その道のプロフェッショナルが欲しい。となれば、手っ取り早いのは、派遣社員だ! 仮にそんな背景があったとしましょう。

そんな会社に、とてもふさわしい経歴を持つ、しかも初のポジションに意欲を燃やす、A子さんが派遣社員として入社。

さぁ、これで我が社もWEB業界に強くなれるぞ!…とまでは良かったのですが、ここで大きな落とし穴があったのです。

「会社は、A子さんを、どう扱えばいいのかわからない」

それまで、WEB業界に殆ど参入していなかった会社にとって、WEB業界のプロであるA子さんは、異国人だったのです。

だけども、その異国人は「いざ!」というときに必ず出撃してくれる会社にとっての最強兵器。例えば「ホームページを制作したい」と申し出ている会社との打ち合わせに、A子さんを同行させれば、WEB専門用語の飛び交う会話の中でこれほど頼もしいことはないでしょう。

ですが、「いざ!」が、就労時間中絶え間なくあるわけではないことを、この会社では想定できていなかったわけですね。

また、「いざ!」がないときは、人が足りない雑用を…と考えれば良さそうなものですが、「いざ!」の為の秘密兵器に、コピーとりやお茶汲みを頼むのは、どうも気がひける。私なんかは、個人的な意見として、お給料払ってるんだから、何でもやらせるのも何でもやるのも当たり前でしょ、なんて思っちゃいますが、そこに躊躇してしまう生真面目さんも、社会には多く存在しているってことなんです。

派遣先で暇なのは、派遣社員と派遣会社のNG関係

結局、A子さんの希望職種と、会社が求めていた業務内容が合わなかった。
そう言い切ってしまうのは実に簡単。
ですが、A子さんは、この1件で精神的にかなりのダメージを受け、次の転職先も疑心暗鬼になって、なかなか決まらないそうです。というわけで、彼女は今も就活中。

「派遣社員って、求められてこなす仕事がかなりピンポイントで限定されているものだと思っていました。でもそうじゃないんですね。次の転職先の希望は、ホームページの制作ができるってことよりも、暇じゃない会社っていうのが一番かも」。

うんうん、わかるかも。その気持ち。一度経験したA子さんならなおさら。
一方会社では、A子さんを雇用している間、決して安くはない経費が発生していたわけですし、そのわりにはA子さんから貢献してもらったことは、一つも無かったという実に無念な状況で幕を閉じています。これも悲惨といえば悲惨です。

想像ついでにもう一つ。
社内では、

「派遣社員に、教えてもらうって、ちょっと情けなくない? 私たち、一応正社員なんですけど」

という、実にやっかいなプライドもなかったとは言えません。
もしかしたらですが、A子さんが29歳のうら若き乙女ではなく、年季の入ったカリスマ的存在感抜群の、中年のオジサマだったら話は全く違っていたのかも。

仕事が無く、暇な派遣社員の背景は、A子さんのようなケースだけとは限りません。

使いまわされた例え話ですが、派遣社員と、会社。
もちろん、正社員と、会社だって双方、成婚(雇用)に向けてのお見合いのようなもの。

例えば、「毎日美味しいお料理を作って待っていてくれる奥さんがほしいな」という男性(採用側)と、「お料理には自信がありますから毎日頑張って作ります!」という女性(応募側)が、双方に縁を感じたとしましょう。ですがいったん結婚生活が始まってみて、「毎日作りますとは言いましたが、一日3回とは言っていませんよ」「野菜は嫌いなんだよ。野菜は控えて肉中心の料理にしてくれないかな」等々、細かな行き違いが発生し、ご縁は、離縁へとなることもおおいにあるのです。
それは、雇用主と会社員でも同じことなのです。

そんな今の時代だからこそ、派遣社員という制度のメリットを、改めて考えてみましょう。

一般的に待遇面では下とされ、安定性のない派遣社員ですが、自分にピッタリな会社、自分の能力が存分に発揮できる会社と巡り合うチャンスを最も多く手にしているのは、派遣社員なのです。
仕事がなくて、暇で暇で辞めたくなったら、次の更新はしなけりゃいいんです。
逆に暇なのにお給料がもらえてラッキーと思える人は、許される限りそのポジションにしがみついちゃえばいいいんです。

結婚と違って、派遣先を辞めても「バツ」はつきませんし、正社員を辞めたときほど他社から疑問を持たれることもありません。

会社というのは。
必ずしも、忙しいから、人手がほしいから、派遣社員を募集するわけではないようです。
いざというときのスキルが欲しいから。
秘密兵器を用意しておきたいから。
将来的には貢献してもらえると思っているから。

そんな理由で、派遣社員を募集する場合もあるということを、ちょっと頭の片隅に入れておいてくださいね。

「仕事が無くて、暇〜」と思った派遣社員のあなた、
これからは「私は会社の秘密兵器だものね」と、切り替えてもいいかもしれませんね。

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